ヤスミノです。

 

 

みなさんはエロマンガのオチについて何か考えたことはありますか?

 

ほとんどの皆さんは「ない」と答えるのではないでしょうか。

 

というのもエロマンガはその性質上、通常の漫画作品と比べ「オチ」に重きを置かれることが少なく印象に残りにくいため、と考えています。

もちろん例外的な作品はありますが、ほとんどの場合はオチの比重は少なめですこれは表現として優れているとか劣っているという話ではなく、単純にエロ漫画はそのような性質を持っている、という話です)。

 

 

ということで、今回はエロマンガによくあるオチ9選(自分調べ)を紹介します。

 

 

……。

 

 

めちゃくちゃエロマンガの話ばかりしていますが、エロマンガを日常的にたしなむ習慣のある人を前提に話を進めてしまいました。読まない人には分からない話だったかもしれません。

 

これ以後もマジでビタイチ分からないと思います。それに関してはすみません。こればっかりはどうすることもできないです。帰ってください。

 

それではどうぞ。

 

①男が枯れ果ててしまう

 

男性優位で行われていた行為だと思われていたが、最終的に男性が枯れてしまうというパターンです。

 

これは非常にオールドスクールなスタイルですが、今でも充分見られるパターンです。

男性優位になりがちなエロマンガで、主導権が最終的に入れ替わってしまうというものは良く見られます。しかし、これは偏ったパワーバランスへの配慮、というわけでもなさそうです。

 

 

 

「今まで信じていた価値観が根底から覆ってしまう恐怖」を描いた作品でいえばリチャード・マシスンの小説「アイ・アム・レジェンド」などが有名ですが、エロマンガの場合こういった教訓めいた感じは一切出しません。

 

エロマンガの面白い部分は、通常であれば重要視されがちな高尚な思想やメッセージがそぎ落とされ、むしろ忌避されるところです。

 

▲こういうセリフで終わります。

 

②親にバレているが、むしろ応援されている

 

これは読んで字の如くですね。

 

「幼馴染モノ」に多くみられるパターンです。幼馴染との関係性が親にバレていることが判明しますが、親はそのことを好意的にとらえます。

「あらあら…」みたいなこと言ってしたり顔のお母さんが聞き耳を立ててたりします。

 

この発展形パターンとして

 

・両親も昔は幼馴染同士だったから、応援していた

 

もあります(これは少し古風で最近ではあまり使われない手法ではあります)。

 

▲こういうセリフで終わります。

 

③性に奔放に見えて、実は経験がなかった

性に奔放そうにみえた女性だったが、最後に実は経験がなかったことが分かる、というオチです。

 

 

ステレオタイプのキャラクター造形をあえて崩すことによって、登場人物のキャラクター性を際立たせます。

例えば近年ではアニメ・マンガなどでも「ギャル=清純」のイメージはしばしば見受けられます。

 

 

▲こういうセリフで終わります。

 

④ビデオレター

 

自分のパートナーである女性の浮気を撮影したビデオが主人公に送り付けられ、打ちのめされて終わる、というパターンです。

 

寝取られモノ(いわゆるNTR)に見られる手法です。起源は分かりませんが、かなり多用されました。

なぜか暗い部屋でビデオレターを見ることが多いです。

通信技術が発達し、もはや結婚式でしか見られることのないビデオレターですが、NTR界では根強い人気があります。

 

▲成人向けサービスFANZAが集計した「FANZA REPORT 2018 同人編」でもダントツ人気だったNTR

 

エロマンガはひとつの作品が劇的にシーンを変革させるというより、お互いに共有しあった手法を皆が使用するうちに徐々に先鋭化した表現が生まれ、シーン全体がブラッシュアップされていく傾向にあると考えています。

 

特にこのNTRという大人気ジャンルに関しては伝統芸能的な手法が多くあります。手を変え品を変え、どうやって男性を貶めることができるのかという部分に注力しています。

 

NTRでよくみられる手法

●別の男性と行為に及びながらドア越しに本来のパートナーと会話をする

●別の男性と行為に及びながら本来のパートナーと電話をする

●本来のパートナーとの行為に満足できなくなっていることに気が付く

 

辛いことばっか。

「現在の相手」と「本来のパートナー」を対比させることによって、その違いを明確にする役目を果たしています。

 

▲ガリガリに痩せ細って、こういうことを言います。

 

■関係ない話、武田弘光先生『いま♡りあ』

NTRといえば、僕は武田弘光先生が好きなのですが、その中でも『いま♡りあ』シリーズは衝撃でした。というのも『いま♡りあ』は全く新しい形でNTRを表現したからです。

 

まず最初に『いま♡りあ』コミックメガストア 2010年6月号に掲載されました。内容はアイドルとそのファンが相思相愛だった、という一般的な純愛モノ。単話で完結しました。

ところが2年後、コミックゼロス 2012年11月号『いま♡りあ IV (Image Video)』という続きが掲載されたのです。

しかも、内容はアイドルのスキャンダルが発覚し、悪徳プロデューサーのもとイメージビデオを撮影することになる、というNTRもの。

 

これは革新的だなと思いました。

 

なぜなら一般的なNTR作品は予定調和だからです。タイトルなどで「これから寝取られますよ」ということを明示しているため、我々は「寝取られた…」という感情にはなりません。「はいはい、寝取られんでしょ」そういう心持ちです。

しかし、これはどうでしょう。一度通常の恋愛もので終わらせた作品を、NTRものとして復活させることによって、擬似的に「寝取られた」側の感情を体験させたのです。

 

▲Amazonレビューではめちゃめちゃ仰々しい文で批判している人も

 

 

賛否両論ありましたが私は「エロマンガでこんな方法があったのか……」と感動すら覚えました。

革新的であることよりも、水戸黄門のように紋切り型であることが求められるエロマンガで、こういう形で作品を展開したのは非常に意義のあることだと思います。

 

⑤終わったと思ったら、新手が登場する

 

本編が終わったあと、また新たな相手が登場し、まだまだこれからも続く……ということが示されて終わります

これは「ハーレムもの」に多く見られるオチです。

 

そもそも「ハーレムもの」自体が「女性がいっぱいいたら嬉しい」という即物的な考えですので、どんどん人数が増えていくのは理にかなってますね。

 

▲こういうセリフで終わります。

 

⑥テストで極端に高い点数か、極端に低い点をとる

 

これは「家庭教師モノ」「教師モノ」のみに見られるオチです。最終的に極端に高い点数で褒められるか、極端に低い点でしかられるか。どちらかです。当たり前のこと言ってますけど。

高い点を取るケースの場合、「そもそも最初から家庭教師など必要ない学力を有していた」オチもあります。

 

▲こういうセリフで終わります。

 

ところで、なぜ「家庭教師モノ」って人気なのだろうか、と思いませんか?私は家庭教師に習ってませんでしたし、周りにも少数だったと記憶しています。実生活にそこまで深く根付いた感じはありません。

これはもちろん「人気だから人気」という禅問答のような理由でしかない可能性もありますが、「家庭教師モノ」は、その舞台装置が作り手にとって都合が良かった、という部分も大きいと思うのです。

正当な理由のもと個室で2人きり。そのシチュエーションが非常にエロマンガを展開しやすい舞台構造になっている、ということです。エロマンガは導入に裂けるページも少なく(商業誌だと大体3~5ページほど)、話運びがスムーズになるモチーフは非常に重宝された、という理由があるのではないでしょうか。

作り手側の事情というと「美少女キャラクターが一様に制服を着ているのは、服を描き分ける必要がないから」という言説も聞いたことがあります。

 

このように受け取り側の感情だけでなく、作り手側の事情も考えると面白いですね。

 

⑦怒られて、叩かれる

調子にのった男性が女性に叩かれて(あるいは蹴られて)終わり。

これも前述した通り、主導権が最終的に入れ替わってしまう、といったことに近いです。

それだけですね。ここまでくると、もうあんまり言うこともないんです。

 

▲大体こんな風なこと言って、終わります。

 

⑧今後の良好な関係を示す

かなりぼんやりしたこと言ってますが、数量でみたらかなり多いと感じます。

 

これはジャンル問わずに「恋愛」が主題の作品によく見られます。

エロマンガの場合、通常の恋愛プロセスとは順序が逆になり、「性交→交際」のケースもたびたびあります。

なので、オチで今後も良好な関係が続くことが示され終わるパターンが多いのです。悲恋モノもあるにはあるのですが、エロマンガの性質上、決して多数とはいえないでしょう。

 

▲得てして、こういう感じのセリフを言って終わります。

 

⑨ハートマーク(♡)付きのセリフで何か言う

 

これはすごいです。正直言ってこれさえあれば全てが解決するといっても過言ではありません。エロマンガのデウス・エクス・マキナです。

この記事のために調査をしてて気が付きました。何を言っているか分からないと思うのですが、最後のセリフに「♡」をつけることによって、物語が収束するのです。

お手持ちのエロマンガ(ない人は買ってください)をパラパラとめくり、オチのページを見てください。

 

「何かしらのセリフ」+「♡」

 

が必ずあるはずです。例えば

 

こういう感じのセリフ達です。

 

もはや、これだけでいいんです。どんな流れでもいい。ラストのセリフでこれ。「♡」この記号だけですべてが丸く収まったように感じられます。

 

 

 

こういう感じでも多分問題はないと思います。なんでもいいんです。なんとなく収まります。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

エロマンガを読まない人にはずっと意味の分からないことが羅列してあるだけで、かなりの恐怖だったと思います。是非機会があれば、読んでみてくださいね。

 

最後に、最近読んでびっくりしたエロマンガのオチを紹介します。

 

 

サブスクリプションサービス「Komiflo」で配信している、シアトル在中アメリカ人のErotibot先生「Hot Shit High」です。

 

童貞を捨てたナードが急にムキムキになり、いじめっ子を殴った後にかめはめ波を打ち、それとは全然関係なく学校に仕掛けられた爆弾が爆発。そして全裸のナードが瓦礫の山の上でアメリカ国旗をはためかす、という終わり方でした。

 

こうして僕の物語がはじまる…

 

この新しい力とそれが巻き起こす

予期せぬ出来事の数々によって

誰もが知る忘れられない伝説を

生み出す

 

マーヴィン・マクソンの

超最高(ホット・シット・ハイ)の物語が!

 

このようなモノローグで終わるのですが、すごくないですかこれ?

 

 

 

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