右上から読んでね!

 

というのがボジョレーヌーヴォーのあらましです。

なるほど。

 

〜この記事に出てくる人〜

オモコロブロス編集長。ワインはあまり飲まない。ボジョレーは「毎年あの手この手で褒められてるワイン」という印象しかない。

オモコロライター。解禁という言葉が好きなので、何もわからないまま毎年ボジョレーヌーヴォーを飲んでいる。今年こそは、勉強するぞ!という意気込みでいる

この記事を書いているライター。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート。ボジョレーヌーヴォーが大好きで、毎年5〜6本買う。

解禁と聞いて集まってきた。

 

 

一年で一番あたらしいワインを飲もう

 

日本て実は、時差の関係で世界の中でもかなり早くボジョレーヌーヴォーの解禁日を迎えるんです。

えっ、フランスよりも早く飲めるってことですか?

そうなんですよ。11月の第三木曜日までは、どこの国でも売っちゃいけない決まりになってて。

それ結構すごいな。ボジョレー自体はフランスの地域の名前なんだよね?

そうです!「ボジョレーヌーヴォー」っていうのは、「ボジョレーという場所の新しい酒」という意味です。

「ボージョレ」とか「ボジョレ」とか書かれていることもありませんか?

あれはただの表記ゆれですね。最近は「ヌーヴォー」じゃなく「プリムール」と名乗る銘柄も増えてきましたが、意味はだいたい同じです。

今回はJUNERAYさんのおすすめの銘柄を予約したわけだけど、まさに今日(解禁日)の午後に届いたよ。

 


ヴィニフィエ・パ・ジュンコ・アライ
ボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー・ル・ポン・デュ・ディアーブル 2021

うわ〜ジュンコ・アライだ!!一年ぶり〜〜!!!

友達か?

ラベルがかわいい!これはどういうボジョレーヌーヴォーなんですか?

新井順子さんという醸造家さんが手がけたものです。いま、「自然派ワイン」「ナチュラルワイン」という名前で、畑にもワインの仕込みにもなるべく人工的なものを介入させない造りのワインが話題なのですが、その草分け的な存在ですね。

いわゆる「ビオワイン」とは違う?

「ビオ」は超ざっくり言うと「畑がオーガニックだよ!」という意味なので、「造り方も自然な方法を選んだよ!」というワインとはちょっと違うんですよ。

複雑だな…。ワインのラベル見るたびに思うんだけど、名前長すぎない?「ボジョレーヌーヴォー」の意味を知ったばっかりなのに、間に何かはさまってるし。

「ボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー」のところですね。「ヴィラージュ」っていうのは、ボジョレーヌーヴォーのちょっといいやつだと思ってください。

へー!ランクがあるんだ!

じゃあ、このワインはちょっといいやつってことですね!さっそく開けて飲みましょうよ〜!

そうしましょう!

 


キュポ

2021年ボジョレーヌーヴォー…

 


トトト…

解禁です!!!

 

「解禁」の意味これで合ってる?

グラスに注いだだけでいい匂いがする〜!

さっそくいただきましょう!嬉しいなあ…わたしはボジョレーヌーヴォーが大好きで…

 

めちゃくちゃ飲みやすい。なんの引っかかりもなくスイスイ飲める。

身体に染み込んでくる感じがしますね、じんわりおいし〜

ゴクゴク飲めるのに、味はしっかり凝縮してるんですよね。瑞々しいフルーツのいいところをぎゅっと集めたみたいな味。

このワイン、ちょっと冷えてる状態?

そうですね、ボジョレーヌーヴォーはちょっとだけ冷やすのがおすすめです!

 

「これおいしすぎる……。」

 

「ネットショップで探します」

 

 

〜ボジョレーヌーヴォーといえば、例のアレ〜

そういえばずっと気になってたんだけど、ボジョレーヌーヴォーって毎年評価がインフレしてない?

有名なコピペありますよね。参考までに、Wikipedia『ボジョレーワイン』の、「販売業者らの評価」の項目を見てみましょう。

 

1983年「これまでで一番強くかつ攻撃的な味」
1985年「近年にない上物」
1992年「過去2年のものよりフルーティーで、軽い」
1995年「ここ数年で一番出来が良い」
1996年「10年に1度の逸品」
1997年「まろやかで濃厚。近年まれにみるワインの出来で過去10年間でトップクラス」
1998年「例年のようにおいしく、フレッシュな口当たり」
1999年「1000年代最後の新酒ワインは近年にない出来」
2000年「今世紀最後の新酒ワインは色鮮やか、甘みがある味」
2001年「ここ10年で最もいい出来栄え」
2002年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄えで1995年以来の出来」
2003年「110年ぶりの当たり年」
2004年「香りが強く中々の出来栄え」
2005年「タフな03年とはまた違い、本来の軽さを備え、これぞ『ザ・ヌーボー』」
2006年「今も語り継がれる76年や05年に近い出来」
2007年「柔らかく果実味豊かで上質な味わい」
2008年「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」
2009年「過去最高と言われた05年に匹敵する50年に一度の出来」
2010年「2009年と同等の出来」
2011年「100年に1度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え」
2012年「偉大な繊細さと複雑な香りを持ち合わせ、心地よく、よく熟すことができて健全」
2013年「みずみずしさが感じられる素晴らしい品質」
2014年「太陽に恵まれ、グラスに注ぐとラズベリーのような香りがあふれる、果実味豊かな味わい」
2015年「過去にグレートヴィンテージと言われた2009年を思い起こさせます」

 

Wikipedia – 「ボジョレーワイン」より

 

そうそうこれ!ボジョレーヌーヴォー 、正直このイメージしかなかったのよ!

「結局どれが最強?」って論理パズルみたい…

日本のニュースなんかで聞くボジョレーヌーヴォーの評価って、やっぱり「日本でボジョレーヌーヴォーを売りたい人たち」がしているものなんですよ。それで華美になりがちというか…

表現が「○○年に一度」みたいになりやすいと。

そういうことです。ボジョレーのワイン委員会も毎年コメントを発表していますが、実際はこんな感じですね。

 

ボジョレーワイン委員会の品質予想

2002年「色付きが良く、しっかりとしたボディ」
2003年「並外れて素晴らしい年」
2004年「生産者の実力が表れる年」
2005年「59年や64年、76年のように偉大な年の一つ」
2006年「とてもうまくいった年」
2007年「果実味が豊かでエレガント」
2008年「フルーツ、フルーツ、フルーツ」
2009年「数量は少なく、完璧な品質。桁外れに素晴らしい年」
2010年「果実味豊かで、滑らかでバランスの取れた」
2011年「3年連続で、偉大な品質となった」
2012年「心地よく、偉大な繊細さと複雑味のある香りを持ち合わせた」
2013年「繊細でしっかりとした骨格。美しく複雑なアロマ」
2014年「エレガントで味わい深く、とてもバランスがよい」
2015年「記憶に残る素晴らしい出来栄え」
2016年「エレガントで、魅惑的なワイン」

Wikipedia – 「ボジョレーワイン」より

ちょっと具体的になったかも。

ボジョレーヌーヴォーって日本だと「縁起物」みたいな扱いをされてしまうので、解禁してすぐ売ってしまいたいという事情があるんです。だから販売者さん達がその年のいいところを一生懸命探して、大々的に宣伝する。

実際おせちや恵方巻きみたいなものだと思ってました。

ボジョレーのワインでも熟成できるものもありますし、ヌーヴォーだって数年寝かせても美味しいものがあるんですけどね…もったいない……

たとえば、いま去年のボジョレーヌーヴォーを見つけたとして、買って飲んだらおいしい?

上手な造り手さんが手がけたものならとっても美味しいと思いますよ!

これめっちゃ知りたかったんだけど、「上手かどうか」って、どうやって見分ければいいの!?

そうそう、種類ありすぎて毎年選べなくなるので、おいしいやつの見分け方を知りたいです!

試飲せずに買うと運の要素も入ってきちゃうんですけど、生産者さんの個人名や、ワイナリーの名前が大きく紹介されてる銘柄を狙うといいかもしれません。あとは3,000円以上出すと打率が上がります。

やっぱり高いやつは美味しいのか…

つくった人について、ワインの説明文で詳しく紹介されてるやつがいいってこと?

そうそう、ワイナリー名だったら「ドメーヌ○○」みたいなやつです。名前を背負った看板ワインとして出されていますし、美味しい!と思ったら来年も同じ名前で探せばいいわけですからね。推しアイドルの新曲を待つのと実質同じ。

ボジョレーヌーヴォーって「推し活」だったんだ

CDのジャケット買いと同じで、気に入ったラベルの銘柄を買ってみるのもおすすめです。

 

 

コンビニのボジョレー ヌーヴォー、実力はいかほど?

さっきセブンイレブンに寄って、ハーフサイズ (375ml) で税込700円ちょっとのボジョレーヌーヴォーを買ってみました。ちょっと飲み比べしてみましょうよ。

 


ジョルジュ デュブッフ ボージョレ・ヌーヴォー<カルケール ドレ>2021

ジョルジュデュブッフ…噛みそうな名前…

ジョルジュデブッフさんは「ボジョレーの帝王」とも呼ばれる超有名な方ですね、実は去年亡くなってしまったのですが…

 

 

さっきと比べると、こっちの方が色が濃い!

 

あー!なんか「いつも飲んでるワイン」って感じする!

一般的に、ボジョレーヌーヴォーの特徴としてイチゴのキャンディやバナナの香りがあるんですけど、それがはっきりとわかりますね。

さっきの新井順子さんのワインよりも濃い気がします。香りも味も強めな感じ。

アルコールをしっかり感じる。新井順子さんのワインはお茶みたいな気持ちで飲めちゃったけど、こっちの方が飲みごたえがある?

お手頃なヌーヴォーにもそれとしての良さがありますし、正直いって好きずきです。

 

 

ボジョレーヌーヴォーって実はすごい

なんでJUNERAYさんはボジョレーヌーヴォーが好きなんですか?

ヌーヴォーってかなり特殊で、ぶどうを9月くらいに収穫して、11月の三週目に間に合うように発送まで終えなきゃいけないんですよ。

そう考えるとつくる時間めちゃくちゃ短い。

今年は天気の都合で収穫が遅かったらしいので、もう大急ぎですよね。そんな中で「何にこだわって、どういうものを造るか」って生産者さんの個性がダイレクトに出る。

さっきの2本だけでも、飲み比べると全然違いましたもんね!

しかも、ブドウって農作物だから、その年の天候によって出来が変わるわけじゃないですか。なるべく自然な方法で造っている新井順子さんのワインのようなヌーヴォーは、その年の個性が光る味になるので、もう本当に楽しみに待ってます。

なるほどね。美味しいボジョレーヌーヴォー飲んだら、他の銘柄の味も知りたくなったな…

私もワインショップに寄って帰ります!

モンゴルナイフさんは毎年ヌーヴォーを飲まれてるそうですが、今年の味はいかがですか?

そうそう、モンゴルナイフの評価を聞かせてよ。

 

………

 

いままでで最高の出来!!

ありがとうございました。

 


ボジョレーヌーヴォーは解禁後も酒屋さんやネットショップ等で購入可能です。
ぜひお気に入りの1本を探してみてくださいね。

 

<お酒は20歳になってから>