オモコロ

 

 

 

 

 

 

 

 

ん？ そもそも書き出しから間違ってません？ 「人の幸福を素直によろこべません」だよね？

 

「人の不幸を素直に喜べません」じゃ、後段と繋がらないし、どんだけひどいクズだらけのドブに身を置いてんだって話になりますもんね。

 

では、書き間違いということで本題に入らせてもらいます！

 

 

まあ、わかりますよ。いや、相談者さんの気持ちのことじゃなくて、この場をなんとなくいい感じにする方法が。わかります。僕にはわかります。

 

「人の幸せを不快に思ってしまう？ 確かにクズかもしれないね。でも、それをつらいって感じるジャガーさんの心。これは決してクズではないよね？ じゃあ何かな？ このジャガーさんの気持ち、これは一体何かな？ …そう、ジュエル（宝石）だ」

 

みたいにまとめれば、なんとなくいいことを言った風になってセックス100万遍できる男になれるって、わかるんです。

 

わかっているんだけど、許せない。相談者のジャガーさんみたいなの許せない。中途半端な悪が、僕はこの世で一番の悪だと思っています。

 

 

振り切れろよ！ もっとクズに振り切れろ！！ 眠てえこと言ってんじゃねえぞ！！ もう！！

 

それか、いい人ぶりたいなら、悪どいのは全部隠せ！！親友にも親にも言うな！ 1人で墓まで持って行けよ！

 

このどっちか！ どっちかしか認めませんっっ！！

 

 

大体、人の幸せを喜べないなんて普通だから！ 幸せなんて、相対的なものなんだからさぁ。

 

周囲の人がバカみたいな値段の高級寿司とか食いまくってるのに、自分だけ何の味もないパンが主食だったら、不幸だと感じるじゃないですか。

 

でも、しっこガム（新発売！）しか周囲は食べてないのに、自分は味のないパンを食べられていたら、それは幸せですよね。「何の味もなくてよかった〜〜！！」ってなる。

 

 

そう考えると「知人が幸せになる」は、「自分が相対的に不幸になる」と言い換えられますから。「人の幸福を素直に喜べない」っていうのは、至極真っ当な感情だと思います。

 

だから、いいんです。別にそのままでいいんです。人の幸福なんて、無理して喜ばなくていいんです。

 

 

ただ、それをね、

 

「は〜、人の幸せを喜べへん…。自分のクズっぷりがつらいねんなぁ…。ほんまつらくて夜も寝られへんのやさかい…。この辛さ、誰かにわかってほしなぁ〜…。ごめんつらい…。もひとつつらい…。これまたつらい…。あー、つら…。大阪名物つらつらパンチ…」

 

みたいに言い出すのはやめろ！！！

 

 

それは違うよ、ジャガーさん！まあ、全然そこまで言ってなかったけど、それは違うんだよ！！ジャガーさん！！ 目を覚ましてくれ！！頼む！！！

 

自分の悪事に、反省や後悔した素振りを見せて苦しんでいるアピールをすれば、すべてのクズ行動が許されると思うな！

 

 

まあ、ジャガーさんの相談の件は、悪事でもなんでもないけどさ。たまにいるじゃないですか。悪いってわかってるのに浮気とかして、自分が悪い人間であることを悩んでる風のやつ。

 

そんなの全部、嘘っぱちですからね。悩んでないからね。自分発信でそういうポーズを先に取ることで、これ以上他人から責められないように、防御壁を張ってるだけですからね。

 

 

一回、明らかな「自分はなんて悪いんだ」アピールで罪を帳消しにしようとしてきた友だちに

 

「そうだ、お前はゴミ野郎だ」
「さえずるな」
「お前の見積り以上にお前はクズ」
「見積りの甘さもチンカス級」
「死だ。死こそお前の救い」
「今すぐ自殺しろ」
「死」

 

 

と言いまくってたら、最終的にそいつはキレたので「やっぱりそういうことだったのか」と納得しました。

 

結局、そうなんですよ。これが真理なんです。

 

 

まあ、相手が本気で思い詰めてたら話は別ですけど。でも、心の底から自分を責めてたら、そんなフランクに話せないですからね。カウンセリングに通わないとダメな感じになっちゃってるはずだから。

 

なのでジャガーさんも、そんな不健全な自己防御法を実践するのはやめて、今後は「人の幸せを完璧に祝福してる風の人間」になるか、あるいは「人の不幸を大笑いする人間」になってください！

 

約束だよ！！中途半端はダメ！！絶対！！

 

 

 

 

 

 

 

 

※この回答はオモコロメールマガジン2012年11月17日号掲載のものを加筆・修正したものです。