コイキングというポケモンがいる。

 

ポケットモンスター PZ22 もちふわクッション コイキング ぬいぐるみ 全長50cm

 

こういうやつである。

 

「陸上ではねることしかできない最弱ポケモン」という、弄られポジションのキャラだ。

 

コイキング単体のゲームがある。

 

「はねろ! コイキング」

 

基本無料スマホゲーム。

釣ったコイキングにエサをやって大きくし、ジャンプ力を競う大会で優勝を目指す。コイキングには成長限界があるが、世代交代すると限界値が引き上がってより高くジャンプできるようになる。

 

コイキングを釣る

エサをやってレベルを上げ、大きくする

限界まで育てたら大会に出る

コイキングが引退する

コイキングを釣る

 

が、このゲームの基本的なサイクルとなる。

なんとなくプレイしてみて衝撃を受けた。

 

 

本当に、「甲斐」が、無い。

 

 

基本的にプレイヤーがすることは時間経過でポコポコ湧いてくるエサをタッチしてコイキングにやるだけだ。ゲームを始めて10分で体験できることがこのゲームの全てである。

攻略に多様性はなく一本道で、効率のいい進め方と悪い進め方があるだけだ。

釣りをするときに「い、いったいなにが釣れるんだ!?」みたいな演出が入るのが腹立たしい。コイキングだよ。

プレイヤーの創意が生きるのは命名くらいである。しかし名付けも5代目くらいで飽き、「問いキング」「コイThing」「小粋ング」「ボニーピンク」など投げやりな名前に変わっていった。70代目コイキングの名は「梅ミンツ」だった。

ひたすらに同じことを繰り返すので、だんだんめまいがする。なんなんだこれは。(でも、経験値がインフレしてきて、エサを1コ食べるだけでレベルが一気に30くらい上がって物凄い速度で収縮と膨張を繰り返しビクビク震える「コイキングオーガズム」は何度見てもおもしろい)。

遊んでいると虚無感が全身に染み込んでくる。ああ、しょせん人生もこのコイキング育成の無限ループと似たようなものだ、なんと無意味であることか、と魚臭いニーチェ思想に目覚めそうになる。

 

 

 

で、

結論を言うと、初日に5600円課金した。

 

 

ん???????

 

 

気づいたら課金してた。課金してもエサがいっぱい出てくるだけなのに。なんか1日8時間くらいエサやってた気がする。あれ? おかしいな。

水着の女の子もかっこいいドラゴンもない「こいつは珍しい金色のコイキングだぜ!」くらいのことしか起きないゲームに、パッケージソフト1本ぶん支払ってしまった。あれれ~?

 

…そういえば初代ポケモンには「秘密のポケモンがあるんだ」とコイキングを500円で売りつけるオッサンがいて、当時ふつうに騙されて憤慨していたな。

20年弱の時を経て、まさか自ら進んでコイキングに5600円払う人間になるとは。

 

課金したおかげでゲームはひととおりクリアして、今は卒業済みなのだが、実は後遺症が残っている。

あれ以来、並行して遊んでいたほかのソシャゲ類をやる気力を完全に失ったのだ。もう起動すらしてない。ソシャゲを遊ぶパワーを全てコイキングに吸い取られてしまったらしい。

面白味がないなどと思って申し訳ない。このゲームは、もっと根っこの部分に食い込んできた。

 

やめられないソシャゲがあったら、コイキングに課金してみては?

 

 

 

 

 

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