ビートルズ解散
溝は深まっていくばかりだった。
メンバーの頭のなかには常に「解散」の2文字があり、そんな状態で演奏しているとベストなパフォーマンスを発揮できず、それによってさらに溝は広がっていった。メンバーの誰もが「もう昔のようには戻れない」とわかっていた。
そんなある日。コンサートを終えた帰りに今後の方向性について話すことになった。
誰かが「解散」の2文字を口にすれば、すべてが終わる。メンバーはしばらくの間、何も話さず、ただひたすらジュースを飲んでいたという。
そんな沈黙を破ったのがジョンだった。
「僕はソロでやる。ヨーコとも歌う」
若干もめたが、最終的にメンバーはジョンの意向を受け入れることにした。
「俺もソロでやっていくよ。自分の音楽を追求してみたい」
「自分探しの旅に出かける」
「テレビに出たい」
こうして正式に解散が決定した。
解散のニュースはビートルズ来日時と同じように、新聞各紙が号外で取り上げた。「ビートルズが解散したので」という理由で会社を休む者も多かったという。
ちなみに、ビートルズが最後にリリースした曲は、世界的に有名になった『レット・イット・ビー』である。
同作は、世界で1億枚以上の売上を記録し、ビートルズ史上最大のヒット作となった。
世界中で解散を惜しむ声が聞こえるなか、メンバーはそれぞれの道を歩んでいくこととなった。
Let it be……なすがままに。
解散後のビートルズ
●ジョン・レノン
ソロ活動をスタートし、『イマジン』『パワー・トゥー・ザ・ピープル』などのヒット曲を次々に生み出す。ヨーコとも度々デュエットした。しかしその後、街を歩いているときに射殺されてしまう。
犯人はジョンの熱狂的な信者であり「自分がジョンを殺せば、自分だけのものになると思った」と供述している。ジョンの死は世界中のビートルズファンを悲しみのどん底に陥れた。
●ポール・マッカートニー
ポールは現在も精力的に音楽活動を行っている。最近日本で公演を行った。
●ジョージ・ハリスン
ジョージは自分探しの旅へ出かけたきり行方不明に。
一説によると、病死の可能性が高いといわれている。
●リンゴ・スター
リンゴは、日本のリンゴ関係のCMに多数出演した。
●オノ・ヨーコ
ヨーコは、愛と平和(LOVE&PEACE)を唱えている。
ちなみに、街でたまに見かける「フリーハグ」は、ヨーコが考えたものである。
今日も世界のどこかでビートルズの曲が流れ続けている。
でも
ぼくたちはビートルズをあまりよくしらない。
(おわり)
※ この物語は勝手な想像で作られています。実在の人物及び団体等とは関係ありません