結論を言うと、ならない。
3つの法則を守ったにもかかわらず、錬成に失敗したミュータントの残骸のようなものができてしまった。
映画『ザ・フライ』で、物体転送装置にサルを入れて実験したら全身の皮膚が裏返ってしまったというシーンがあるが、出来上がりを見たときの私の気持ちはそれと同じだった。
この領域に人類が踏み込むのはまだ早いのかもしれない。
菓子はフランス料理になるのか
次は主に菓子類で試してみよう。
使う食材は
・せんべい
・さやえんどうスナック
・お麩
・マシュマロ
だ。
できたのがこちら。
どうだろう。さやえんどうスナックの存在が、せんべいを「肉」のように引き立てている。これはフランス料理っぽいと思う。
いつものようにソースも使ってみたが、よく考えたらソースが合う食べ物はひとつもない(マシュマロをソースにつけて食べたら地獄のような味がした)。
でも、ソースがあるのとないのとでは印象がこんなに違ってくる。すごいぞソース。無意味だけど。
食べられないフランス料理を作る
こうなってくると、もう「食べられる、食べられない」はフランス料理にとってはどうでもいいのかもしれない。
なにしろ、3つの要素さえ押さえていれば基本的には大丈夫なのだ。
というわけで、このたわしをフランス料理にしてみたい。
現状、「皿の上にたわしがある」というだけの、イギリスの風刺的ユーモアみたいな絵面だ。これをどう変えるか。
「シャボン玉を吹くやつ」を使う。
するとこうなる。フランス料理の世界に2歩ほど近づいたのがわかると思う。
このへんからはもう「大いなる感覚の世界」なので、振り落とされないようしっかりつかまっていてほしい。
さらに洗濯バサミを添えてみる。
するともちろんこうなる。
食用と非食用の境界線が曖昧になっていくのを感じて、大きく深呼吸をするのが吉だ。
こうなってくると、将棋の駒を加えずにはいられなくなる。
仕上げにガーゼを乗せて
ソースを添えれば完成だ。
~シャボン・タワシの5歩ガーゼ洗濯ソース添え~
皿の上にあるのはたわしなのにも関わらず、「なんかすごいの出てきたな」と思わせる絵力がある。
これが「3つの要点」のすごさである。
3つの要点を押さえればフランス料理は作れる
ここまでくれば、もはや私たちはフランス料理らしさをマスターしたといえる。
3つの要点を押さえれば、そこには凱旋門の見える風景が広がっているといっても過言ではない。
みなさんもこの記事を参考に、手軽なフランス料理を作ってみてはいかがだろうか?
私は一度顔を洗って冷静になってこようと思う。
(おわり)