エントリーNo.6 永田(二代目菓子盆王者)

 

永田

 

6人目は二代目王者の永田。使い込まれた肛門みたいな顔をしていますが、今回のようなシチュエーション縛りの勝負に強い盆師です。果たしてどうなる?

 

 

 

「大切な一人娘が嫁ぐということで、寂しさは感じるものの、父として恥ずかしい姿は見せられません。必要以上に意固地にならず、娘への愛を込めた盆に仕上げました」

 

 

 

 

 

 

 

永田_R

 

 

●黒糖丸ぼうろ(クロボー製菓)
●銀婚(鹿島米菓)
●輪切奉天(伊藤軒)
●珍味ごのみ(伊藤軒)
●ポロショコラ(ラグノオ)

 

 

 

 

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「おめでたい席なので、中央のあられで彩りを添えました。一見、無骨に見える手前のおかきも『銀婚』という名前で、この縁談が上手くまとまり長く続くように願いを込めています。

 

私と家内も一昨年、銀婚を迎えまして、その時は娘がルックJTBの旅行券をプレゼントしてくれたっけ…」

 

 

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「和テイストの盆上で異色のポロショコラですが、これ実は娘の大好物なんです。『この菓子を盛るのも今日が最後かな…。次からはこの場所に何を盛ろうか…』と、そんな思いを抱きながら盆を作りました。

 

和洋折衷で申し訳ないですが、菓子箸で頂いてください。私と家内はこちらの黒糖丸ぼうろを半分ずつで大丈夫です。糖尿の気もあるもので私にご遠慮なく」

 

 

 

 

 

 

~ 会場の反応 ~

 

「真ん中のあられがニクいねぇ。えびせんの差し色が美しい」

 

「全体的にそんなディティールいる? ルックJTBのくだりいる?」

 

「ポロショコラを菓子箸で食べるのは粋。下に敷かれた懐紙もいいね」

 

 

 

 

 

いかにも手を伸ばしやすい菓子盆です。ここまでは緊張を誘うような使い方でしか用いられなかった煎餅も、ここでは可愛らしい。

 

さて、落ち着いた「和」の菓子に囲まれた、黒いチョコケーキ。きっと意図があるに違いありません。聞けば、これは娘の幼少時代に好んだお菓子とのことです。

 

あなたの大切な女性は、わたしたちの大切な娘なのだという両親からのメッセージ。けして押し付けがましくない門出の願いが盆で表現されています。

 

 

 

 

これまた高評価! 勝負の行方は全くわかりません!

 

 

 

 

 

 

エントリーNo.7 原宿

 

原宿

 

最後はオモコロ編集長の原宿。悪ふざけのカス菓子盆しか作らないので、過去に3回破門されています。なんで来たんだよ。今回は新聞取材が入ってるからおとなしくしててくれ! 頼む!

 

 

 

「娘が婚約者を家に連れてくる。父親として甘い思いも苦い思いも味わうことになる瞬間ですが、幼き日から今日に至るまで、父と娘が過ごしたかけがえのない時間が失われるわけではありません。

 

むしろその美しい時間は永遠に変わらぬものとして、記憶の中、そして菓子盆の上にとどまり続けるのです。今後はこの盆を娘の代わりとして、優しく語りかけていきたいと思います」

 

 

 

 

 

 

 

原宿_R

 

 

●粉寒天
●幼児用下着

 

 

「愛娘のパンティ寒天盆です」

 

 

 

 

 

 

 

~ 会場の反応 ~

 

「死んでくれ」

 

「新聞取材来てんだぞ! 頭おかしいの?」

 

「菓子盆という文化が今、正式に終わった」

 

 

 

 

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「食べる時はこうやって、魚をさばくようにパンティーから寒天をそぎ落とします。さながら、パンティあんこうの吊るし切りというわけです。

 

さあさ、ダ・ヴィンチ・恐山クン、どうぞ召し上がれ」

 

 

 

 

 

破門です。

 

 

 

 

当然の破門でした。

 

原宿の存在は、新聞記事からは抹消されます。(もしくは「パンティあんこうの吊るし切りおじさん」が変質者情報として一面を飾るかもしれません)

 

 

 

 

 

 

 

 

優勝者決定!

 

これで第四回菓子盆選手権、「娘の婚約者が挨拶に来た時に出す菓子盆」がすべて出揃いました。

 

果たして親父お菓子王の栄冠は誰の頭上に輝いたのか?

 

審査員のダ・ヴィンチ・恐山から、優勝者を発表いたします!

 

 

 

 

 

 

今回の菓子盆選手権の優勝者は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

室木おすしさんです!!

 

 

 

 

 

 

 

 

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第四回優勝は室木おすし! 審査員におすましを食べさせた男がまさかの優勝! さっそく勝負の決め手を聞いてみましょう。

 

 

 

 

 

 

今回は、今までで最も優勝者選びに悩んだかもしれません。

 

「書を偽る者あれど、菓子盆を偽れる者なし」という言葉にあるように、盆には人間性がにじみ出ます。

 

「その人間性に評価を下す資格が私にあるのか? そもそも、菓子盆で序列を決めることに意味はあるのか?」そんな根本的な問いも浮かびました。それほど水準の高い試合だったとも言えます。

 

熟慮の末、「切り口の新しさ」という観点から室木さんの盆を選びました。評価させていただいたのは「なめるな」と「仲良く」の対立構造をおすましのフェイクでダイナミックに覆した新規性です。

 

ある種の特例、反則ですが、道の上を歩いているだけでは道は作れないのではないかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

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反則スレスレを攻める大胆さと繊細さが武器のニューチャンピオンが誕生! 原宿のそれとは全く違う、良い意味で菓子盆の概念を壊してくれることでしょう。室木おすしの今後の活躍に期待です!

 

 

 

 

 

 

 

 

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そして菓子盆選手権終了後の楽しみと言えば、大会を振り返りながらのお菓子の大試食会。新聞社の方ともご一緒にワイワイと感想戦に花を咲かせました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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ちなみに、今回の当たりお菓子は「いちご ドライフルーツ(Family Mart collection)」でした。うまい。

 

 

 

オモコロこと全日本菓子盆協会は、インターネット記事に留まらず活動を広げて参ります。

 

その足がかりとして2016年5月11日に第一回菓子盆LIVEイベントを行ったので、そちらのレポートも近日中にアップさせて頂きます。そしてまた、第二回のLIVEイベントも開催します!

 

 

今後のテーマとして、通常の菓子盆選手権はもちろん、「フードコーディネーターVS歴代王者」、「ドラフト菓子盆対決」、「菓子盆タッグマッチ」などの色モノ企画も検討中です。

 

それではまた、第五回の菓子盆選手権でお会いしましょう!

 

 

 

 

(おしまい)

 

 

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