上野に移動しました
というわけで上野に移動しました。
何故なら巣鴨で聞き込みをしていると「帝国ホテルのフィレステーキ」とか「銀座の天ぷら」とかそういうセレブな食べ物ばっかり出てくるからです。
下町で聞いた方が庶民的な食べ物が見つかるはずだーーー!
77歳、陶芸を楽しむおじいさん
僕「人生で一番美味しかった物ってなんですか??」
「うーん、バナナかな」
僕「当時は高かったらしいですね」
「そう。僕はね、小学2年生の頃に終戦を迎えたんだけどね、僕のおじさんが中島飛行機でテストパイロットをしててね」
僕「へー。中島飛行機ってスバルを作ってる富士重工の前身の会社ですよね」
「そうそう。そのおじさんがテスト飛行であちこち行くのか、沖縄みやげとかで乾燥したバナナを買ってきてくれるんだよ。アレが美味かったなぁ」
僕「最近は何か美味しいもの食べました?」
「いやぁもうなんでも美味しいですよ。定年してからはね、3,4人のグループで一生懸命美味しいものを探してるんです。先日も六本木で北京ダック食べましたけどアレも美味しかったですね。あとはブルガリア料理とか」
僕「へーー。やっぱりなかなか良いもの食べてるんですね!」
「いや別にメザシ一本でも良いんですよ。まだまだね、美味しいものって世の中にはいっぱいあるから、探し中です!」
「『メザシ一本でも良い』ってのは絶対かっこつけて言ってる」
「性格悪いね君」
高校生にも聞いてみた
インタビュー中、ベンチでイチャコラしてる高校生カップルが居たのでついでに聞いてみました。
僕「人生で一番美味しかったものってなに?」
女の子「ママのごはん!」
男の子「おばあちゃんのキンピラゴボウかな~」
僕「おお。君たちは良い子だね。『サーティワンの抹茶アイス最高~♪』とか言い出したらぶん殴ろうかと思ってたよ」
女の子「お母さんの料理めっちゃ美味しい!」
僕「じゃあ、もし明日隕石が降って来て地球が滅亡するってなったら最後に食べたいのはやっぱりお母さんの手料理?」
女の子「ううん、それならパセラのハニートーストかなー」
「食えよ」
「上野にもあるから今すぐ食ってこいこの野郎」
上野公園で休憩中のご夫婦
僕「人生で一番美味しかった食べ物ってなんですか?」
「城崎温泉で食べた松葉ガニかな」
「この人ね、もう足が悪いからなかなか外にも出歩けなくてね。そんな時に娘がレンタカーを借りて、3日間旅行に連れて行ってくれたの」
僕「おー、それで城崎に」
「そうそう。出雲大社にお参りしたりしてね。それから城崎に行って温泉に入って」
僕「それは嬉しいだろうなぁ。一生の思い出になりますね」
「またいつか、城崎に行きたいねぇ」
「そんな美しい城崎の思い出を汚したのが野々村議員か」
「罪深すぎる」
「空腹」について語る70歳のおじさん
僕「人生で一番美味しかったものってなんですか?」
「うーん、やっぱりね。ものすごくお腹が空いてる時に食べるものが一番美味しいですよ」
僕「なるほど」
「幼稚園くらいの頃にね、山形の海に行ったんだけど、そこでこう、泳いでたらね、暑いし、物凄く喉が渇いてね。そこでウワァー、ってなった時にひしゃくで飲んだ水!それが最高に美味しかったですね」
僕「へーー。湧き水とかなんですかね??」
「いやもう湧き水だったか水道の水だったかも覚えてないけど、でもあの味は忘れられないなぁ。昭和30年代から下町に住んでたから、食べるものがやっぱり無くてね。白いご飯があるだけでも本当に幸せでしたよ。白いご飯に生たまごがあって、それにコロッケなんかがついてたらもう本当にご馳走でしたね」
僕「なるほどーー。じゃあほんと、今は良い時代になりましたね」
「その通りです。だから、戦争なんかもう二度としちゃいけないんですよ。今もね、安倍総理が集団的自衛権なんて言ってますけど、あんなの絶対許しちゃいけない」
「あ、ちなみに私」
「日本共産党のものです」
「はい。」
「はい。」
と、まあそんなこんなで聞き込みする事3時間。
色んな人の話を聞いたおかげで段々傾向がわかってきた。
男の人は「家庭の味」とか「思い出の味」的なものを挙げるパターンが多いのに対して、
女の人は「めっちゃ良いレストランの料理」とかをキッチリ挙げて来るのだ。
ここらへんは女性特有の見栄みたいなもんが影響してたり、
そもそも女性の方が食に対するこだわりが強いのかも知れない。
現役バリバリの72歳のおじさん
僕「人生で一番美味しかった食べ物ってなんですか」
「女性かな」
「またそのパターンか」
「元気なのは良いこと」
僕「それって、どこで女の人と仲良くなるんですか」
「当時はクラブ(お姉ちゃんが居るほう)全盛の頃でね、接待とかで良く行ってたからそこの女の子とかだね」
僕「えー?どうやってそこで捕まえるんですか」
「そんなの簡単だよ。まあ適当に飲んだ後に、『よし!じゃあこの後俺とお風呂行く人手を挙げて!』って呼びかけると、『はーい』って」
僕「嘘でしょ!?」
「本当だって。10回言えば1回くらいはついて来る人が居るもんだよ」
僕「それって、でも相当お金使うんじゃないですか」
「まあね。ほぼ毎日のように行ってたからね」
僕「ちなみに今でも現役ですか?」
「現役ですよ」
僕「すごいな……。今の若者にモテるコツを是非教えて下さい」
「いやね、結局ね、女性にモテようと思わなくて良いんだよ。人間にモテなきゃ。男も女もそこは変わらくてね。人間として、人間に好かれなくちゃ女性にもモテないよね」
僕「ヤリチンの癖に良い事っぽい事言ってる」
「やっぱりね。人間としての器を磨かないと」
僕「じゃあとりあえず女性の話は置いておいてですね。食べ物として人生で一番美味しかったものってなんですか」
「女房が作ったお好み焼きだね。あれは世界一美味いから」
僕「お、それを是非教えて下さい!」
「上野のおっさんのお好み焼き」の作り方
1:カツオ節でダシを取る
2:キャベツ、天かす、イカ、小麦粉、卵、ダシ汁を混ぜたものにコンニャクとさつま揚げを切って入れる
上野のおっさん曰く、「コンニャクとさつま揚げを入れるのがポイント」だそうです。
このコンニャクが絶妙な味のバランスを取ってくれるらしい。
3:軽く混ぜる
混ぜすぎるとふんわりしたお好み焼きが出来ないとの事。
材料をフライパンに入れ、上から豚バラ肉を載せる。
完成じゃーーーーーー!!
さっそく食べよう
僕「あ、美味いわ」
原宿「うん。確かにフワッとしてて美味しい」
周りの連中にも大好評!!
そんなわけで……、
「人生最高ごはん、ゲットしました~~~~~!みんなもぜひ食べてみて下さいね!」
「おい。何が人生最高ごはんだ。こんなもん、色んな美味いもん食って一周回ったおっさんが『美味い』っていう奴じゃねえか!」
「だいたい、食べるものが無い時に食べた物が一番のご馳走ってみんな言ってたし、喉がカラカラの時に飲んだ水が人生で一番美味かったって共産党のおじさんも言ってただろうが~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!服を脱げや~~~~~~~~~~!!!!!!」
「どうだ。美味いか?」
「美味いです」
(ヨッピー)