突然ですがみなさん、「居抜き物件」という言葉をご存知だろうか。

 
それは不動産物件の一つで、特に店舗物件において厨房やトイレ、ホールなど、主要設備が残っている状態で「今すぐにでも開店できるような物件」を指している。

 

今回はその外観に特化して使っているが、やはりあまり馴染みのない言葉だと思うので特徴的な例をタイプ別に挙げてみたい。

 
 
 
 
 
元アルペン
 

 

 

 

1980年~1990年代初頭に空前の盛り上がりを見せたスキーブームはあっさり終焉。

街に残ったのは昔ヤンチャしてた頃に彫った元彼タトゥーのごとく、隠す事の出来ない三角形店舗だった。
いろんな色で誤魔化したり、三角形自体を隠そうとしたがどうみてもそれは元アルペンであり、失笑を禁じえない・・・(恋とアルペンは計画的に!)

 

 

 

元パリミキ

 

 

 

 

 

 

 

 

メガネ業界にも安売りチェーンの到来で勢力図は変わりつつあるのだろうか。最近ちょくちょく見かける元パリミキ。

 

ファンの間では物見やぐら」と呼ばれる二つのタワーの利用法が難しく、あるペットショップは機転を利かせて犬の耳として立派に再生したが、犬をCMに起用しているはずのアノ通信会社はそれに気付かず破壊してしまったようです。

 

 

 

元ユニクロ

 

 

 

 

こちらはあまり見ることの出来ない元ユニクロ。

近年ユニクロ→GUの転生パターンが多いためこれは結構レアだと思っているがこの興奮を伝える相手がどこにもいないのでジョギングしてきます。

 

 

 

 

元セブンイレブン

 

 

 

 

増える一方だったコンビニも最近では色んなものに姿を変えて第二の人生を歩み続けている。

 

潰れているのと同時に、新規出店も同じ程度目撃している気がするのがセブンイレブン。

 

潰れたと思うとその隣に新しいセブンイレブンが出来るパターンも度々見ており「話し合えよ」と思ってしまう俺である。

 
 
元ガソリンスタンド
 

 

 

 

田舎で朽ち果てたガソリンスタンドの多くは、引き取り手のないままスタンディングKO状態で放置されていることが多い。
こちらは幸運にも、なぜか天下一品に拾われた稀な例。油と油のアツい友情。

 

 

元山田うどん

 

 

 

 

ローカルのマイナーチェーンで失礼しますが、関東一円で幅広くチェーン展開する山田うどんもこの通り第二の人生を歩んでおります。

 
 
 
 
元の姿はこちら。
ちなみに俺はこれまで山田うどんのかき揚丼を14回食って14回とも腹を壊している。

 

 

 

元沙羅英慕

 

 

 

 

 

 

 

夜露死苦の聖地・北関東を中心にひっそりチェーン展開する沙羅英慕(サラエボ)も同じエリア内で華麗なる転身。

マイナーすぎて全然分からないと思うので参考画像を見てください。
 
 
 
 
「・・・・?」
 
コレみても全く分からないという声が聞こえてきそうですが、このレベルになると気付く方が気色悪いので注意されたし!
 
 
謎タイプ

 

 

 

 

 

色んな居抜き物件を集めているが大半はこうした正体不明なものばかり。

この謎の居抜きAについても、不審者扱い覚悟で近くの人に尋ねたら不審者扱いされました。

 

 

 

 
やはり居抜きとはかくあるべきで、こういう涙ぐましいごまかしテクニックを楽しむのも居抜き物件の魅力の一つだと思っている。
 
今回、こうした模範的な居抜き物件を見た後では少々ズサンだといわざるを得ないような、素敵な居抜き物件を発見してきたので紹介したい。
(ビックリしてる人もいるかと思いますが、実はここからが本題です)
 
 
 
小さい事にこだわらないお店、門前仲町「あるびこっこ」

 

 

 

 

 

 

江東区・門前仲町を両国方面に向かった飲み屋街から少し離れた場所にポツンと佇む不審な飲み屋。

今回ご紹介する素敵なお店「あるびこっこ」の登場です。

 

 

 

 

 

 

イタリアン風の外観に無理やり据付られた「居酒屋」のれんと赤提灯。

 

完全にイタリア系の何かだったお店を無理やり居酒屋に改造している。居抜きならぬ、手抜き物件!(Cool)

 

 

 

 

 

 

勇気を出して入店すると、一組の客だけ。

座っていた女性が「いらっしゃ~い」と愛想良く近づいてきて出迎えてくれる。

 

 

不審極まる外観だが、中は割と落ち着いたたたずまいで安心する。

 

 

 

 

 

 

出迎えてくれたこの女性、この店においては、スナックのママ的なサムシングらしく、お酒を注いだり話に相槌を打つなど接客に余念が無い。

 

 

 

 

 

 

もう一人、こちらがママにスゲーこき使われていたボーイ的なサムバディである。

70近くと思われるかなりのおじいさんだったが、扱いは完全にボーイだ。
 
いっぱしの飲食店店員のようなキチンとした服装に見えるが、上にまとっていたのは余裕で作業着のベストでした。(ボケットがなんか10個ぐらいありました)

 

 

 

 

 

 

おいおいバリ封してんのかよ、ってくらいに段ボールと椅子が窓際に敷き詰められており、

 

 

 

 

 

 

そういうスタイルのイジメかってレベルの一人用テーブルもある。

 

 

 

 

 

そして明らかに昔ケーキがあったと思われる場所にビールや日本酒などが陳列されている。

 
話を聞くと「元々はアイスクリーム屋だった」らしく、この店のレイアウト店名も完全に前の店のものを受け継いでいるとのこと。
 
聞きましたか。「店名もそのまま」なのだそうだ。小さい事にこだわらない強気なスタイルに思わず哀しみの笑みがこぼれる。
 

 

 

 

 

「『居酒屋』って書かないと、何の店だかわかんないから」

 
そういう安直な理由でイタリアンな店先に居酒屋のれんと提灯を下げたのだという。

 

(たった今、バカ提灯という言葉を思いつきました。どのお店に使おうかな。)

 

 

 

 

 

なにかと意味不明な雰囲気に落ち着かずキョロキョロしていると店の奥に怪しいトビラを発見。

「あれは何ですか」と尋ねると、「元ジムショだったところだよ」という。

 

 

 

 

 

 

良くみるとアップルのロゴとか残ってるしスゲー気になって覗いてみたところ、

 

 

 

 

 

 

なぜか爺さんが暮らしておりました。

 

 

 

 

 

 

見てはならんものを見てしまった気分・・・。

スグ横で生活する老人を何ら気にすることなく、相変わらず先に座っていた客はワイワイ酒を飲んでいる。なんなんだ。
 
 

 

 

 

「またきてね~」に無言の会釈。

 

 

色々と様子がおかしかったが、これも一つのお店のスタイルだ。

 

我々は色んな常識にとらわれて、必要以上に何かを気にしすぎているのかもしれない。

 

 

開き直ればそこには自由が待っている。楽しければそれでいい。

 

 

 

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不審な飲み屋、気がかりな店舗などあればオモコロ編集部か直接僕宛に、気軽にご連絡ください。行きます。

 

 

 

 

(zukkini)