通学路には多大なる情報が詰まっている。

 

ナベちゃんがここで泣いただの、裏道として使用していた豆腐屋の庭を歩いてたら、ババアにみつかって怒られただの、大量のキャンディタイムがゴミ収集場に置いてあっただの……。

 

言うなれば通学路にはその人の学生時代の個人情報が落ちているって訳だ。

 

じゃあさ……

 

 

 

同級生じゃなくても、同級生になれる術(すべ)は通学路にアリ!!!

 

じゃあ、なろう!!

 

大人になって出来た友達と『バーチャル同級生』になろう!

 

 

某日。都内某ファミレスにて。

 

マンスーンさん。僕らって、知り合ってどれくらいでしたっけ?

 

 

最初に会ったのは……、2015年くらい? 阿佐ヶ谷でやったネットのオフ会じゃなかった?

 

 

■登場人物紹介

 

おおきち:1988年生まれ。荒川区出身。WEB系の会社に勤めるサラリーマン。よくマンスーンに「飲みに行こう!」とLINEを送りつけている。

 

 

マンスーン:1987年生まれ。葛飾区出身。オモコロ運営会社勤務。誘えば必ず来てくれるヤリ酒ン(やりしゅん)。

 

 

 

そうだ、あの時ですね。今、ネット以外の人と交流ってあります?

 

 

ないね。ネット関係の繋がりがメインよ。今の仕事もネットでの活動がキッカケだし。同級生はフェイスブックで繋がってる程度かな〜。

 

 

 

僕もです……。じゃあ、僕とバーチャル同級生になってくださいよ? お互いの通学路を歩きましょうよ!!

 

 

通学路???

 

 

いや、会ってから4年経ってもこうして遊んでる訳じゃないですか? 関係性でいうと同級生と同等だと思うんですよね。もう一歩踏み出すため、お互いのルーツ=通学路を知っておくべきじゃないですか?。

 

なにそれ?まあ、いいけど。

 

 

という訳で、友人であるマンスーンとバーチャル同級生になることに決めた。

 

ちなみにルールは上記のように制定した。

 

ここから先、知らんアラサー2人が、知らん土地で、知らん思い出話をします。WEB記事に“意味”を求めている人はBuzzFeedへどうぞ!!!

 

 

BuzzFeedじゃなくていいんですね? じゃあ、行きましょう!!

今、インターネットに必要なのはどうでもいい情報だッ!!

 

 

 

マンスーンが育った街『金町』

ということでやってきたのは、マンスーンが小学生時代を過ごしたという『金町』。葛飾区にあるほぼ住宅街の駅だ。

 

▲このへん

 

 

駅前に到着。ここから、まずはマンスーンの生家を目指して歩く。

 

 

 

マンスーンさんは、どんな小学生時代だったんですか?

 

 

かなり真面目だったよ。アクティブじゃない方のグループにいたね。

 

▲マンスーンの小学生時代。タミヤRCカーグランプリの右側の人?

 

 

ほえー。そんなフツーの少年が、いつからインターネットにまみれた人生になっちゃったんですか?

 

 

なんだろう? 多分、スカパーの音楽番組かな? そこに出てたバンドが気になって、本屋に行った時にロッキンオンジャパンを読むようになったのよ。それくらいから、カルチャー的なものに興味を持つようになって、ネットでそういう情報を調べて……って、感じかな?

 

人生において「幼少時代にスカパーに触れるか・触れないか」というのは、結構重要だと思っている。「皆が知らない情報を知っている」という意識は、その後の人格形成に強く影響を与えると思うんだ。

 

と、ここまで語ったはいいけど、今はYoutubeがあるじゃん!

上の話は老害の意見です。耳を傾けないでください。

 

 

なんて話をしている内に、マンスーンの生家に到着。ここから、マンスーン少年の通学路を一緒に歩く。

 

マンスーン、記憶を共有させてくれッ!

 

 

TSUTAYAが文化発信基地だった

 

 

ここね、元TSUTAYAなんだけど。俺、めちゃくちゃここにお世話になってたのよ。バンドのCDはここで片っ端から借りてたし、暇な時期はここで映画を借りまくってたから。

 

今は工事中? なんですかね。

 

 

最近、火事で全焼しちゃったらしいんだよね。すげーニュースになってた。金町を支えてきた文化的インフラがなくなっちゃったのよ。

 

TSUTAYAの「これが好きな人はこれもオススメ!」のポップを参考に、CDを数珠つなぎ的に借りていたのを思い出した。THE OFFSPRING、BLINK-182、NO DOUBT……。

確かにTSUTAYAって文化基盤だったな。

 

でも、今はYoutubeが……(リフレイン)。

 

 

出てくる出てくる“知らん話”

 

 

うわっ! この塀ってこんな低かった?

 

 

 

当時、これくらいの身長だったから高く見えてたけど、今見ると全然低いね。

 

 

当時「高い」と思っていた塀が、今見ると「低い」。

 

一人でここを歩いてたら絶対に出てこないセリフだ。これこれ! こういうどうでもいい意見がもっと聞きたい!

 

俺にとってはただの住宅街の道なのだけれど、通学路だった人にとってはその何倍もの情報が詰まっている。

 

どの道にも誰かにとっての残留思念が残っているのだ

 

そう考えると、普段何気なく歩いている道にも重みを感じませんか? 感じない? じゃあ、ジョジョ6部のヴェルサスのスタンド『アンダーワールド』を思い出しちゃいません?

ジョジョを読んでない……そうですか……。

 

 

ああ!! ここの隙間! 思い出した!

 

 

なんですか、急に?

 

 

昔はここに柵がなかったから、この奥に入れたのよ。ある日、下校中にお腹が痛くなっちゃって。我慢しながら帰ってたんだけど、「もう間に合わない!」て思って、この隙間をみつけて……。

 

言うな言うな! 次、行きましょう!

 

 

隣にいると分かるのだけど、エピソードを思い出す度「あぁ!」と叫んでいる。通学路が脳を刺激して、どうでもいい思い出を浮かび上がらせているみたいだ。

 

 

 

ここ! 鈴木くんとチャリで並走しながら話してたら、急に鈴木くんが見えなくなった交差点だ。まぁ、トラックに追突されてたんだけど。

 

 

事件性が高い! で、その鈴木くんは大丈夫だったんですか?

 

 

そのまま起き上がって「大丈夫です! 大丈夫ですから!って言って、気まずそうにその場を立ち去ったんだよね。ドライバーも心配してたんだけど、「いや、本当に大丈夫ですから!」って言い張って……。

 

すげー分かる。

小学生くらいの頃は“問題を起こす=親に怒られる“って刷り込まれているから、大トラブルに巻き込まれているのに、やせ我慢をする友達が俺にもいた。

誰だったっけ? シゲちゃんだった気がする。めちゃくちゃ骨折したのに、親に黙ってて、最終的に自然治癒していた。野生児か!

あなたの周りにも鈴木くんシゲちゃん的な人、いたのではないだろうか?

 

 

 

登下校中、こういう柵に傘とか枝の先を当てて「カンカンカンッ」って鳴らしませんでした?

 

 

やったやった!

 

登下校時のくだらねェ遊びなんかも思い出してきた。

電柱3本ごとにみんなのランドセルを持つジャンケンとか、地面の白いところを踏むとなぜかサメに食われるという理不尽なゲームとか。

「ビニール傘の先端で地面を擦って、火花を出していた」と伝えると、マンスーンはポカンとしていた。

やったよね?

 

 

とか、なんとか言ってる内にマンスーンの母校の校舎が見えてきた。

 

 

花壇と校舎のこの隙間あるじゃん? ここね、俺らの秘密基地だったのよ。丸見えだから秘密でもなんでもないんだけど(笑)。

 

 

▲向こう側に軒下(?)みたいな部分がある

 

 

あ〜、校舎内に秘密の隠れ家みたいな場所あったなー。こういうのってどこも共通なんですね。こういう場所でを作りませんでした?

 

 

へ? 毒???

 

 

え? 毒? 作らない? 葛飾区には毒カルチャーないの? 荒川区だけ?

 

 

小学生にとって“毒“って言葉がもうカッコいい。そして、発酵という言葉もなんかマッドサイエンティストぽくて多用していた。

この毒作り、伊集院光もラジオで話していて「やっぱみんなやるよなー」と思っていたんだけど、どうやら荒川区だけに伝わる遊びのようだ。(伊集院光は荒川区出身)

今のキッズは毒を作るのだろうか?

 

 

ということで、マンスーンの母校『水元小学校』へ到着した。

僕は案内された側だが、今まで忘れていた小学校時代の記憶の扉が開く瞬間が何回かあった。マンスーンとはほぼ同年代で同性というのもあるかもしれない。

年が離れた友人とやるとどうなるのだろうか?

なにはともあれ、お互いの通学路を歩くバーチャル同級生は関係性が少しアップするので、遊びとしてぜひオススメである。

友人のどうでもいい思い出、めちゃくちゃどうでもよくて面白いから!!

 

あと、このフォーマット、「テレビ東京がやりそうだな」と少し思った。

 

▲明らかに学校帰りのキッズを狙った様なパン屋をみつけたので入った

 

 

ちなみにここ、マンスーンは行ったことなかったらしい。こんな店キッズにとって天国だろ、行けよ!

 

 

 

 

 

▲三十路を超えて登るジャングルジム。怖すぎ!

 

 

> 次はおおきちが育った街『西尾久』を歩きます <