■目標をもって生きる
例えば、公認会計士になりたいだとか、マイホームを建てたいだとか、なんでもいい。
何かひとつ目標を持って生きていくということは、素晴らしいことではないでしょうか。
何かひとつ目標を持っていれば、あまり細かいことには気をとられずに済むし
日々をいきいきと生きていけるはずです。
自分の目標に向かって邁進する人は、輝いています。
だから僕も、目標を持って生きるようにしています。
え?僕の目標ですか?
そうですね、ありきたりかもしれないですが、
僕の目標は、「 カニにジャンケンで勝つこと 」です。
僕は、ずっと「 カニにジャンケンで勝つこと 」だけを目標にして生きてきたのです。
しかし、現在までの勝率は0パーセント。
未だにカニにジャンケンで勝てたためしがありません。
カニが次に何を出してくるのか、まったく予想がつかないからです。
■高ければ高い壁の方が
だからって、諦める気は毛頭ありません。
一度目標として掲げたことは、必ず達成させる、というのが僕の信念だからです。
それに、達成困難な目標であるほど、達成したときの喜びは大きいというもの。
♪たかければたかい壁のほうが、登ったとき気持ちいいもんな~♪
って歌もありましたもんね。
ミスターチルドレンでしたっけ?それともドクター中松だったかな?
どちらにせよ、僕には「 カニにジャンケンで勝つ 」という目標があり
その目標に向かって常にチャレンジし続ける必要があるのです。
勿論、今日も勝負を挑むつもりです。
今日こそは、絶対勝つぞ!!
■勝負開始
ということで、本日もカニに勝負を挑む。
相手(カニ)が何を出してくるのかを予想しながら、
呼吸を整え、
精神を統一し、
ジャン、ケン…
ホイ!
パーで勝負をしかけたのだが、カニが出したのはチョキ。
ということで残念ながら、1回目は僕の負け。
ちょっと力み過ぎたか。
力み過ぎては、出るはずの実力も出ない。
もっとリラックスしなくては。
次のジャンケンに望みをかける。
2回目。
ジャン、ケン …
ホイ!
「ガム食う?」みたいな感じで、指先にガムをのせ、さりげなくパーを繰り出してみる。
カニはチョキを出したので、残念ながらまた僕の負け。
でも、ちょっと調子が出てきたような気がする。
次は負けないぞ。
3回目。
ジャン、ケン…
ホイ!
160円支払うフリをして、パーを出す。
残念。カニはチョキなので、また僕の負け。
読みが浅かったのか。
単調な攻め方では、やはりカニに勝つことはできない。
もっとトリッキーな戦術を採用すべきか。
4回目。
ジャン、ケン…
ホイ!
5ユーロ支払う。
パリやローマでも通用する「パー」で勝負。
しかしカニが出したのはまたまた「チョキ」。僕の負け。
5回目。
ジャン、ケン
ホイ!
タバコを指に挟み、アダルトな雰囲気を漂わせ、
「ジャンケンなんて興味ないね」みたいな感じで「パー」を出す。
負け。
6回目。
ジャン、ケン
ホイ!
ゴム手袋をはめて、パー。
カニはチョキ。僕の負け。
7回目。
ジャン、ケン
ホイ!
サイバーな感じで。
僕の負け。
9回目。
ジャン、ケン
ホイ!
意表を突いて、もう一度5ユーロ支払う。
合計10ユーロ支払ったことになるが、
カニはチョキ、僕はパーなので、また僕の負け。
10回目。
ジャン、ケン
ホイ!
目には目を、歯には歯を、魚介類には魚介類をー!
のこころで、人差し指と中指の間に「 いいだこ 」を挟み、繰り出す。
カニは「チョキ」。僕も「チョキ」。
惜しい!あいこだ。
でも、なにかコツをつかんだような気がする。
次こそ勝てそうな気がするぞおー!
気合を入れ直して、
ジャン、ケン…
ホイ!
負け。
■結論:人間はカニにジャンケンで勝つことはできない