エントリーNo.3 ARuFa
「まさか恐山が死ぬなんて…。信じられません…」
友人の不幸を悲しむARuFaのアウトドア菓子盆がこちら…
●カルボナーラのパスタスナック(セブンプレミアム)
●サクサク食感のしっとり抹茶(セブンプレミアム)
●ベビースターラーメン(おやつカンパニー)
●品川巻(セブンプレミアム)
●一度は食べていただきたい 粗挽きサラミ(なとり )
●ひとくちキウイ(南信州菓子工房)
●モロッコヨーグル(サンヨー製菓)
「おでかけした時にみんなで食べたい菓子盆を作りました」
~ 会場の反応 ~
「お前が犯人か」
「ありとあらゆる内臓を並べるな」
「左下のは、カピカピになったサバ…?」
「…おや、妙ですね。紫色のモロッコヨーグルなんて販売していないはず」
「本当だ、何よこれ?!」
「とうとう真犯人が見つかったみたいだなぁ!」
「え?」
「なあに、簡単なこと…」
「ARuFaが毒入りのモロッコヨーグルを食わせて、恐山を殺したんだ!」
「なるほど…。それなら全ての辻褄が合うな…」
「ね? 自首してちょうだい? そうすれば少しは罪が軽く…」
「ちょっと! 何を勘違いしてるんですか!! これは僕が食用色素で紫に染めただけですよ!!」
「何でそんなことするんだよ」
「そっちの方がオシャレだからです」
「???」
「こいつには何を言っても無駄か…」
「とにかくこれは毒なんかじゃありません! なんなら僕が今食べて見せたっていいですよ!」
「………」
またも飛び出したARuFaの独特の色彩感覚。審査員のダ・ヴィンチ・恐山の霊はどう見る?
苦しい…苦しい…
ついに焼けた鉄の上で13兆年間も苦しみ悶えさせられる「黒縄地獄」に堕ちたのかと思ったらまだ現世に留まっていたしARuFaさんの菓子盆でした。顔を剥がして基盤が剥き出しになったドラえもんにも見えますね。
相変わらずの色彩センスにはもはや何も言うまいという気持ちですが、一部の菓子の選択はそこまで悪くないと思いました。特にひねり揚げや粗挽きサラミなどが引き立つように再考すれば、アウトドアのつまみ盆としての可能性があったはずです。惜しい……非常に惜しい……。
モロッコヨーグルはなんですかこれ。祟りますよ。
死してなお手厳しい評価。しかし菓子のチョイスには見どころありだったようです。意味深なモロッコヨーグルは、本当にARuFaのセンスが終わっているだけだったのか?
エントリーNo.4 原宿
「オモコロ編集長として、このような事態になったことを重く受け止めてるよ…」
責任者として威儀を正す原宿のアウトドア菓子盆がこちら…
●焼きめざし(なるみ物産)
●あんずボー(ミナツネ)
●アンパンマンペロペロチョコレート(不二家)
~ 会場の反応 ~
「早く警察呼んでっっ!!」
「猟奇殺人犯…」
「原宿さん、なんで…! なんで殺したんですかっ…?!」
「待ってくれ!! 俺はいつも通り自分の芸術を追求してるだけだって!」
「確かにこいつは、いつもこんな感じだった」
「ふん、わからない奴には俺の芸術は一生わからないだろうさ」
「………」
あくまで自分のスタイルを貫き続ける原宿。審査員であるダ・ヴィンチ・恐山の霊のジャッジは如何に?!
恨めしそうな声で、恐山の「破門です」という声がどこからか響いてきました。霊体にすら拒まれるこの盆に手がかりは残っていたのか……?
「これで全員出揃いましたね?」
「いや、まだ1人いるな」
「え?」
「このまま探偵ヅラして無実を気取って、追求を逃れるつもりじゃねえよな? リックェさんよぉ」
エントリーNo.5 リックェ
「ええ、ご心配なく。もちろん、私も作りますよ」
冷静沈着なリックェが用意したアウトドア菓子盆はこちら…
●チェダーチーズ6P(クラフト)
●サラミソーセージ(宮内ハム)
●とんがりコーン あっさり塩味(ハウス食品)
●ヨーグルトレーズンチョコ(正栄デリシィ)
●カリフォルニアレーズン(コープ商品)
●たべっ子どうぶつ(ギンビス)
●ザクッと食感のポテトチップス うすしお味(セブンイレブン)
●生チーズのチーザ 4種のチーズ(ギンビス)
「大人のアウトドアということで、お酒のおともになるようなお菓子を中心に作盆しました」
「また、大自然の中で食べるたべっ子どうぶつも乙なものかと。盆にはこういう遊び心も不可欠です」
~ 会場の反応 ~
「ちっ、相変わらず見事な盆だぜ」
「特に怪しいところはない、か」
「でもこういう探偵みたいな人ほど、実は真犯人っていうことも…」
「あああ!!! 私…、わかっちゃいました…!!」
「えっ?」
「きっとこういうことです…」
「リックェさんがとんがりコーンで恐山さんを斬り殺したんです…」
「ま、まさか…」
「そんな……」
「ふむ、とても面白い推理です。…不可能だと言うことに目を瞑ればね」
「嘘よ! あなたが犯人よ!!!」
「落ち着いてください。そもそも私はずっとみなさんと一緒にいます。つまりアリバイが完璧です」
「あ…、確かにそうだった。そんな初歩的なことを見落としてるとは……」
「そ、そんなの何かトリックを使ったんでしょ?!」
「ますます面白い。では、どのようなトリックでしょう?」
「それはその…、まだ、わかんないけど…」
「まあまあまあ、無理して疑うこともない。リックェはシロだろう」
最後は探偵役を買って出たリックェ盆。酒のつまみを中心とした盆で攻めます。審査員、ダ・ヴィンチ・恐山の判定は?
ウ、ウ、ウウウ……苦しい…
リックェさんは、酒のつまみとして嬉しい品を取り揃えながらも菓子盆の範疇を逸脱しすぎない采配が絶妙と言うほかありません。チーズやカルパスといった直球のつまみが、とんがりコーンやレーズンなどの菓子と一緒にいることで馴染んでいるのがおわかりでしょうか? ARuFaさんの盆も、突き詰めればこの領域まで高めることができたのかも……。
菓子盆は「あいだ」にあるものです。リックェさんの盆は人と人とのあいだにあって、アウトドアでの交流をより和やかにしてくれることでしょう。もうそこに私が居ないのは、惜しいですが……
菓子盆探偵、高評価! この灰色の頭脳は事件も解決してしまうのでしょうか?
「ん? 待ってください。ダ・ヴィンチ・恐山、手に何か握ってませんか…?」
「メダルチョコ?」
「一体何だってそんなものを…」
「明らかに不自然だな。アウトドア盆に入れるわけでもないし、そもそもこの暑さじゃチョコなんてすぐに溶けちまう」
「つまりこれはダイイングメッセージ?」
「なるほど、そういうことか…」
「え? 何かわかったんですか?!」
「ええ、よーくわかりましたよ。この事件の真相が…」
「は、早く! 早く教えてちょうだい!」
「もちろんです。ですが、その前にご自分でよ~く考えてみるといいかもしれません。答えはもう盆の上に出ているのだから…」