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こんにちは、山口むつおです。夫婦で失礼いたします。

 

2016年7月2日、熊本県の黒川温泉に行ってきた。
ジモコロ編集長である柿次郎が「100人で熊本に行こう」と突然言い出したためだ。

 

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前々から「熊本の黒川温泉はめちゃくちゃいいよ」と、行ったことのある妻から聞いていた。今回いい機会だということで、夫婦一緒に参加することにした。

 

それにぼくは兵庫県出身。21年前に、あの阪神淡路大震災で被災したことがあるというのも理由のひとつだ。

 

 

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神戸市東灘区、国道43号線岩屋交差点。写真は阪神・淡路大震災「1.17の記録」より。色んなものが壊れたり、燃えたりして、たくさんの方が亡くなられた。

 

ぼくが住んでいたのは兵庫県の中でも西宮市という、甲子園球場がある地域だ。神戸市の東灘区や長田区ほどの被害ではなかったのだが、それでもぼくの自宅は半壊してしまい、建て直しを余儀なくされた。

 

当時12歳の子供だったぼくに、兵庫県の復興に対して力になれるような事はなかった。ぜんぶ大人がなんとかしてくれたのだ。

 

だから33歳の大人になった今、何か力になれる事があればいいなという気持ちもあった。「100人が一斉に熊本へ行ってお金を使い、情報発信する」というやり方は、腕力にモノを言わせた、なんとも頭の悪い方法だけど、こんなにわかりやすく効果が出そうなやり方もないなと思う。 

実際、Twitterのトレンドワード入りしていた。

 

  

というわけで、今回のぼくの役目はとにかくポジティブ発信。これを読んでいるみなさんに「熊本へ行きたくなってもらうこと」だ。

熊本は景色良し、グルメ良し、温泉良し、人良しのいいところだった。

 

 

さあ、まいりましょう。 

 

 

 

インスタグラムが捗りまくる、カルデラが生んだ絶景

 まずぼくが目を奪われたのが、目的地である南小国町(黒川温泉があるところ)に向かう途中で出会った風景の美しさだった。

 

 

誤解を恐れずに言うと「嘘みたい」な景色だ。ツイートにも書いたけど、ほんとにRPGで魔王倒した後みたいな光景だった。

 

 そして熊本と言えば阿蘇。阿蘇といえばカルデラだ。カルデラっていうのは火山活動でできた凹地のこと。ベコーっとへこんでるところを縁の部分から見下ろしてみると……。

 

 

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 すごくないですか?ちなみに写真の女性は、同じく熊本復興ツアーに参加した石根さんという方。

広大な大地を山脈ぐるっと取り囲むこの光景は、日本ではここくらいしか見れないはず。誇張ではなく、こんなスケールの自然を見せられると、自分がどれほどちっぽけな存在なのかということを痛感させられる。

この石根さんも、すごいちっぽけに見えてくるから不思議だ。

 

 

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 こちらは進撃の巨人の映画ロケが行われた押戸石の丘。360度こういう景色が広がっている。「ファイナルファンタジー7で初めてミッドガルから脱出した時に見たフィールドみたい!」と思ったんだけど、誰か同意してもらえるだろうか。

 

 

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 どこを切り取っても絵になる、美しい町。とにかくインスタグラムが捗ると思う。「熊本最高」「黒川温泉最高」というメッセージとともに、どんどんシェアすればいいと思う。

 

 

 

熊本県のグルメ、全部うまい伝説

 

旅の醍醐味といえば、その土地の美味しいグルメ。熊本は美味しいものだらけだ。 

 

 

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熊本の伝統和牛である「あか牛」だ。今回はでっかい肉塊をジャベリンみたいな器具に刺し、これをモンハンよろしく、くるくる回して焼いていただいた。

 

 

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これがもう、とんでもなく美味い。

松阪牛のように、脂身の味を楽しむタイプの肉ではない。赤身と脂肪分のバランスが抜群で、いくらでも食べれてしまうタイプの肉だ。実際めちゃくちゃ食べた。

熊本では陸の生き物がやたら美味い。

 

 

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……と思ったら、魚もめちゃくちゃ美味かった。ジモコロ編集長の柿次郎が食べているのは、鮎の塩焼き。

 

 

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妻も美味しい、美味しいと言って喜んで食べていた。ぼくもまるまる1匹食べたかったのだが、あまりの人気でなくなっていた。妻に一口食べさせてもらったのだが、たまらない。嗚呼、もう一度食べたい。

 

 

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ああ……

 

 

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本当に熊本は、何を食べても……

 

 

 

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美味いんだなぁ……。

 

 

 

 

 

 

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さて、その中でも特に印象に残ったのがこちら。いったい何の魚かわかるでしょうか。

 

 

 

 

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正解は「鯉」。あの池とかで泳いでいる鯉だ。

今回特別に、鯉料理を体験させていただいたのだ。「結構ショッキングだと思うけど、大丈夫?」と、担当してくれたおばあちゃんたちは心配していたが……。

 

 

うん、確かに、結構ショッキングだった。

 

段取りはこうだ。
まずは鯉を陸に引き上げて、脳天を包丁で思いっきり峰打ちして気絶させる。

 

 

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気絶している隙にウロコを取る。とにかく、いかに臭みを出さないように調理するかが重要だそうで、死んでしまうと臭くなってしまうそうだ。だから気絶している間にさばく必要がある。

 

 

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ウロコをきれいにとったら、今度ははらわたを取り出す。特に胆嚢(苦玉とも呼ぶ)はつぶさないよう、慎重に。こいつを潰しちゃうと全身に苦味が回ってしまい、まるごと1匹アウトになってしまうらしい。

 

 

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とにかくたくさんの血を見ることになる。軍手が真っ赤っ赤になるのだ。これだけ大きい生き物とじかに対面すると、「命をいただく」という事について考えてしまう(大小の問題ではないのだけれど)。

おばあちゃん曰く、鯉をさばく事は小さい頃からやってきたけど、調理する時には毎回鯉に感謝をしてさばくようにしているそうだ。

 

 

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そして、先ほどの肝をのぞいた鯉は2度揚げし、刻んだ野菜がたくさん入ったあんをかければ……。

 

 

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完成。泥臭さはまったくなく、トロトロとした肉質ですんごいジューシー。白ごはんが進むタイプのやつだ。このほかに鯉こく(鯉の味噌汁)もいただいたが、こちらもまた美味しかった。

 

 

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ちなみにこの料理体験に参加していたWEB漫画家・カメントツは、その調理風景にショックを受け、ずっと米炊き当番をしていた(鯉料理はめっちゃ食ってた)。

 

改めて言うが、ここで口にするものは何でも美味しい。 山の幸海の幸問わず、ぜひ色々と食べてみてもらいたい。

 

 

 

手形で町の露天風呂をハシゴできる、すごい温泉地

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日本でも有数の温泉地である黒川温泉。ここは少し変わっていて、「入湯手形」というものを購入することができる。この手形を使うと、好きな宿の露天風呂をハシゴして楽しむことができるのだ。 この町全体が巨大な浴場だと思っていただければいい。

 

「旅館が単独で栄えても黒川温泉全体の発展にはつながらない」と考えられた結果、旅館同士が協力し合う形で生まれたのがこのシステムだそうだ。

 

 

 

町全体にあふれる情緒的な雰囲気もいい。この雰囲気を出すために、町全体で協力して木を植え替え、景観のために町中に立っていた看板を200本くらい撤去したらしい。もともとこの地域が持つ自然の美しさに加え、実は綿密に計算されたブランディングが施され、今の景観がある。

 

 

f:id:eaidem:20160801013139j:plainちなみに、こちらがぼくたち夫婦が泊めていただいた宿。

 

 

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めちゃくちゃ立派で、まわりの自然と一体になったような作りは趣があった。 今回は夫婦でやって来たということで、かなり良い宿をあてがってもらったのだ。おはからいに謝謝……!

 

 

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また、たいがいの旅館は露天風呂を備えている。ぼくの泊まった宿では、部屋ごとに露天風呂がついていた。いい気持ちだ。

実は今回、タイムスケジュールの関係でぼくは町中の温泉を回ることができなかった。次回行った際には、妻とゆっくりと温泉巡りを楽しみたいと思う。

 

 

 

いい人たちに出会えた、熊本県の黒川温泉

そして今回、こんな無茶な企画を本気にしていただき、受け入れていただいた黒川温泉の方々である。本当に、めちゃくちゃ楽しかった。今回の企画は自腹とは言いつつも、黒川のみなさんが本当にいろいろとサービスをしていただき実現したものだ。

 

 

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黒川温泉がある、南小国町の町長である高橋さん。話していると誰でもすぐに打ち解けてしまう、懐の深さがある方だった。

 

 

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黒川温泉観光旅館組合長の北里さん。なんと37歳の若さで、この責任のある役職についたらしい。帰りはぼくたちを空港まで送り届けるため、バスも運転してくれた。めちゃくちゃパワフルな方だ。

 

 

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あか牛を育てたり、ほうれん草やお米を作っている佐藤さん。吉原神楽を踊っていた中の人でもあり、途中ウトウトしていたぼくにプレッシャーをかけてきた(すみません)。

 

 

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宿に併設されていたバーのマスター。とにかく美味しいお酒を出すことを信条としていて、モヒートに入れるミントを庭で育て、摘みたてを使うこだわりぶり。でもその日は宿の人が雑草と一緒に刈っちゃったらしく、摘みに行ったもののテヘペロして帰ってきた。

 

 

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ぼくと同じ兵庫県からこの町に移住してきた山崎さん。なんせ柔らかい。

 

冒頭で話したように、 ぼくは過去に阪神大震災で被災した経験がある。大人になったぼくが何かできればと思いここ熊本にやってきたのだが、ここで暮らす人たちの熱い気持ちや暖かいおもてなしに、逆に元気をもらう格好となってしまった。

 

 

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地震による影響で、本当にお客さんが減ってしまった。震災からゴールデンウィークまでの間で、なんと4万2千人ものキャンセルが出たそうだ。
今は「九州ふっこう割」などの取り組みがなされ人気となっているけど、空いた期間の穴埋めやこれからの復興のことを考えると、まだまだ第一歩なんじゃないかと思う。

 

 

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現地で旅を楽しみ、お金を落とし、友達に「熊本良かったよ」と伝えることだと思う。そしてその経験は必ずあなたの財産になるはずだ。

 

 

JIMOCORO’s Kumamoto Revival Tour from Yasuhiro Tamura on Vimeo.

 

この町は本当に自然も、グルメも、温泉宿も、人も良い町。みなさんも是非一度、黒川温泉を楽しんでみてください。ぼく以外にも、参加した100人が色々なメディアで、この黒川温泉について発信しています。

これがきっかけで「黒川温泉、今度行ってみたいな」と思っていただければ幸いです。

 

kurokawawonderland.jp

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最後にもう一度、山崎さんの写真を貼っておく。おもしろいから。

 

 

関連リンク(公式ホームページとか九州ふっこう割とか)


 

 

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