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こんにちは。ライターのカツセマサヒコです。

「象に乗ってみたい」という夢を叶えることができてうれしい今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

 

前回の【ヨッピー×VICE JAPAN】目標は大統領!? ネットでウケるコンテンツを考えてみたに引き続き、今回も大ベンチャー展でのトークセッションの様子をお伝えしたいと思います。

 

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遡ること約2カ月前、2月5日に行われたトークセッションの後半は、WEBメディアが好きな人なら思わず唸るゲスト陣でした。

 

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オモコロ編集長の原宿さん、KAI-YOU編集長の新見直さん、BuzzFeed Japan編集長の古田大輔さんによるWEBメディア論。モデレーターは引き続き、ジモコロ編集長の柿次郎さんが務めます。

学びが多いうえに笑いも絶えない、いい感じにユルい空気で行われたトークセッションの様子をお届けしますので、皆さんの気持ちも2カ月前に戻して読んでもらえればと思います。 

 

自己紹介

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まずは登壇者の自己紹介から。

オモコロ編集長の原宿さん(写真左)は今、「メディア界隈で一番寝てる人」を目指しているそうです。オモコロを運営しているバーグハンバーグバーグは一日2時間まで昼寝OKというルールが有名ですが、この日の原宿さんも睡眠に対する執着が半端じゃなく、なんかよくわかんないけどいろいろと最高でした。

 

ご存知の方も多いと思いますが、オモコロは「平日毎日更新で、役に立たない記事をあげているメディア」として10年目を迎えた面白メディアです。学生時代にブログを立ち上げて2日で更新をやめたことがある僕からすると、10年って途方もない時間です。

 

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KAI-YOU編集長の新見さん(写真中央)は、大学時代に7000部流通する同人誌を制作。そのまま法人化してKAI-YOUを設立しました。現在のKAI-YOUはWEBコンテンツの編集や制作、イベント運営をしています。

 

KAI-YOUはちょうどサイトを大幅にリニューアルしたばかりのタイミングだったので、トーク中盤ではサイトデザインやコンテンツの見せ方についての話も出てきます。

 

ちなみに新見さんはKAI-YOUのメディアの在り方について、「最近のWEBメディアに載る記事って、ハイコンテキストなものが多いと思うんですけど、KAI-YOUはその文脈を棚卸しして、ユーザーへの敷居を低くしてあげたいんですよね」と話されていて、ユーザーへの配慮がめちゃくちゃかっこいいと思いました。

 

それに対する原宿さんの「すごいなー、説明がうまい。大学出てます?」という反応は流石オモコロ編集長。本人は高卒らしいです。

 

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最後はBuzzFeed Japan編集長の古田さん(写真右)です。

古田さんは朝日新聞に勤務していたころにタイ、シンガポールで海外勤務を経験後、デジタル編集部で2年半勤めて現職に。

 

BuzzFeed Japanはこの日、リリースしてからまだ2週間というできたてホヤホヤ具合。「どんなメディアなの?」というところに話題が集中します。

 

f:id:katsuse_m:20160325142435p:plain「BuzzFeed Japanは社内の編集部員が全ての記事を書いているんですよね?」

 f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「そうですね。基本的に外部ライターに依存していません。BuzzFeedはCMSがすごくよくできているんです。たとえばユーザーがどこまで読んでくれたのか、どの段落で離脱したのか、すべて細かな情報として得ることができるんです」

f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「すごいですねそれ」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「だから公開されたコンテンツのデータをちゃんと分析して、よりよいコンテンツを作れるようになってほしいと社員には伝えています。このデータは外部ライターには渡しにくいものですし、そういった理由もあって、社内の人間だけで書いている現状です」

f:id:katsuse_m:20160325142435p:plain「扱うジャンルも幅広いですよね。原発関連のすごく堅いニュースもやるし、猫や犬も取り上げる」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「そうですね。『バズ』と言っても幅広いですが、僕らは記事を見た人がハッピーになったり、笑えたりするものを作っていきたいと考えています」

f:id:katsuse_m:20160325142435p:plain「BuzzFeed Japanは、ローンチして2週間ぐらいですよね」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「はい。本当にスタートしたばかりなので、今は公開したコンテンツのデータを見て勉強している段階ですね。あと、『海外でバズったコンテンツは日本でもウケるのか?』という実験をかねて、海外のBuzzFeedコンテンツを翻訳したものをどんどん公開しています」

 

お互いのメディアの印象は?

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3人は今回のトークセッションで初めて一緒に登壇したそうです。それもあって、まずはお互いのメディアの印象を話すことに。メディアの中の人たちがお互いのメディアの話をするって、実はあまりない機会。お互いに探りをいれつつ、話が進みます。

 

f:id:katsuse_m:20160325142435p:plain「皆さんご一緒に登壇するのは今回が初めてですよね? それぞれのメディアにどんな印象をお持ちですか?」

 f:id:katsuse_m:20160325142921p:plainf:id:katsuse_m:20160325142602p:plainf:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「うーん……」

f:id:katsuse_m:20160325142435p:plain「原宿さんは、KAI-YOUについてどう思います?」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain……サイトの色が、青いなあって。オモコロはサイトが赤いでしょ? オモコロを見た後だと、色が青く感じられるんですよ」

 

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KAI-YOU.net

 

f:id:katsuse_m:20160325142435p:plain「頭の悪い回答だなぁ」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain「でもデザインが見やすいよね」

f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「ありがとうございます。リニューアルしたときに、最新記事がトップに表示される仕組みをやめたんですよ。ファンは記事単位で見てくれているので、トップ画面には回遊しないんです。でも、新規のユーザーはトップ画面から来ることもあるので、トップ画面には新着記事よりも、KAI-YOUらしい記事を置こうって決めました」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain「あー、なるほど! うちと真逆だ。オモコロは完全に公開順で見せているんですけど……たしかにそっちのほうがいいですねえ、変えよう」

f:id:katsuse_m:20160325142435p:plain「すぐ流される」

f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「僕らもこの仕組みで始めたばかりなので、結果がどうなるかはわからないんですけど、しばらくはこれで様子を見ようと思っています」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain「うまくいったら教えてください」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「パクる気まんまんか」

 

 

 

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f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「真似すると言えば、BuzzFeed JapanさんのCMS、うちも使わせてほしいです。メディアをやっていると、どこまで読まれているか気になりますし」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain「知りたい知りたい」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「あのシステムは本当に面白いですよ。僕は編集長としてすべての記事に目を通しているんですけど、チェックしているときに『ん?』って違和感を覚えた段落が、そのまま読者の離脱率が高いポイントだったケースもあります」

f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「ページ単位ならわかりますけど、段落ごとで離脱がわかるってすごいですよね」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain「いいですねー。そのシステムを使って『離脱王』とか決めたいです。『よくぞ離脱させた!』って表彰したい。離脱させる仕事とか、どんどんあげたいです」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「何言ってんだ」

 

 

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f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「古田さんは、オモコロが好きって聞いたことがあります」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「オモコロ、大好きですね」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「何がいいんですか、こんないい加減な編集長がやっているメディア」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「一見ばかばかしいけど、面白くするための仕掛けがきちんと組まれているところですね。Buzzfeed Japanは、立ち上げるときにニューヨークのBuzzfeedからベテランライターを招いてCMS周りの研修をやったのですが、そのとき外国人のライターにオモコロを見せて『これがジャパニーズスタイルのバズだ』って言ったら、すごいウケてました」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain「それ、うれしいですねー。僕らがやってきたことがディス・イズ・ジャパニーズ・バズとしてBuzzFeedの海外記者の方たちに受け入れられるって、すごいことですよ」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「新見さんはどうですか?」

f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「KAI-YOUは始まって丸3年になるんですけど、オモコロさんは大学時代から見ていたメディアなので、今その横に座っているのは本当にうれしいですね。憧れていました」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain「おお、今日はなんていい会なんですかね。あとで1万円払いますね」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「風俗じゃないんだから」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「BuzzFeed Japanも始まったばかりなので、先輩方の背中を見て成長しようと思っています」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain「おお、もう1万円払います」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「なにこのくだり」 

 

編集長の悩み

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続いてのテーマは「編集長の悩み」について。メディアの編集長って責任やプレッシャーも大きそうですが、3人ともどちらかというと「メディア自体の悩み」について話されていて、編集長ってメディアそのものなんだなあと思いました。とくにローンチしたばかりのBuzzFeed Japanはチャレンジすることも多いぶん、悩みも多そうです。そのあたりにも注目ください!

 

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「皆さん編集長ということで、似たような苦労をされていると思います。編集長としての悩みがあれば教えてください」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「僕は編集長としてもスタートしたばかりですが、海外のネタを日本向けにアレンジすることの難しさを実感しています。BuzzFeedの現地メディアができるのは日本で11カ国目になるんですが、アルファベット圏ではない国への進出は日本が初めてなんですよ」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「いろいろローカライズしないと大変そうですよね」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「そうなんです。インドのBuzzFeedも英語でやっているし、これまでは全て欧米圏のカルチャーだからそのままトレースすればよかった。でも日本版を作るにあたって、テーマ設定や文体、デザインを全てローカライズしなきゃいけないっていう話をしているんです。今はそれに向けていろいろとデータを出して調べているところですね」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「海外でウケるものが、日本でウケるとは限らないですもんね」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「あとは、『BuzzFeed JapanとYahoo!が組んでるのにコケたら笑い者だよね』っていろんな人から言われるので(笑)、そうならないように必死に頑張っています」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「期待値は高まっていたと思いますけど、スタートして反響はいかがですか?」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「だいたい想定どおりですね。ローンチから10日ぐらいのところで、フェイスブックページが1万いいね!を超えました。これは他のメディアよりも早くてよかったなと思います。あとは小さなバグとかも散見されて、そのたびバタバタしていますね……」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「ローンチしてすぐに1万いいね!はすごいですよね」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「あと、BuzzFeedはコンテンツの幅が広いんですが、メディア自体の印象が固まる前に初見の記事だけで媒体イメージを決められてしまう可能性があるんです。そこも悩みどころですね」

 

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f:id:katsuse_m:20160325142435p:plain「新見さんは編集長としての悩みってありますか?」

f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「悩みは尽きないですが、一番はコンテンツの選定ですね。KAI-YOUはポップカルチャーを扱うメディアという大前提があるんですけど、『ポップ』の定義って、説明するのがとても難しくて、記事で見せていくしかないんです」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「どこからどこまでを『ポップ』とするか」

f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「最近だと、元プロ野球選手の清原さんが逮捕されたじゃないですか」

f:id:katsuse_m:20160325142435p:plain「覚せい剤で逮捕されましたね」

f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「あの事件自体は全然『ポップ』ではないんですが、事件の影響で『コロコロ兄貴(小学館)』で連載していたマンガ『かっとばせ!キヨハラくん』が掲載中止になったんです。そのことがネット上で話題になっていました」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「そこからポップカルチャーになるんですね」

f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「そうなんです。要は切り口次第なので、エロネタとかも見方によっては『ポップ』になります。AVの記事広告を受けたこともありますし」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「エロとか下ネタって、シェアは伸びないんですよね」

f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「そうなんですよね。でもPVは取れるという」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「ネットユーザーがどれだけムッツリなのかがよくわかりますよね」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain「オモコロも、オナホールを作った記事とかはめちゃくちゃPV稼ぎますね」

f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「逆に、意識高い記事はすごくシェアされますけど、そこまでPVは伸びないんですよね(笑)」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「原宿さんは、編集長としての悩みとかありますか?」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain「10年やってきたんですけど、KAI-YOUさんの『トップページに新着記事を置かない』って話や、BuzzFeed JapanさんのCMSの話とかを聞くと、ああ、うち、遅れてるのかな、変えなきゃなって思いますよね」 

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「オモコロは広告を入れたのも、5年目からですもんね。それまでは広告入れられないと思ってたし」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「え? それまでマネタイズどうしてたんですか?」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain赤字垂れ流しですよ

f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「えー! すごい」

 

「良い記事」ってなに?

f:id:katsuse_m:20160325163322j:plain 続いてのテーマは「良い記事」の定義について。メディアによって指標やターゲットはもちろん異なりますが、「良い記事」の定義もやはり異なるのでしょうか? 

 

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「『良い記事』と言ってもいろいろ捉え方があると思うのですが、皆さんは『良い記事』に対する指針をお持ちですか?」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain「良い記事……。やっぱり、『作っている人たちが楽しんでいるかどうか』っていうのがありますね。ライターのARuFaが書いた美女シャワーの記事とか、作っている時点でみんなゲラゲラ笑っていて、そういうものって、やっぱり世に出てもウケますから」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「新見さんはいかがですか?」

f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「KAI-YOUの判断としては、『PVが伸びた記事は、ユーザーが求めている記事』ということで、良い記事と捉えています。もうひとつは、記事で紹介したモノ・ヒトが『初めて存在を知ったけど、この人すごいね!』って褒められたりしていると、認知させたっていう意味で良い記事になったのかなと思いますね」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「閉じてるものを開くというか、新たな気付きを与えてあげられるのは、メディアの醍醐味ですよね。古田さんはいかがですか?」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「BuzzFeed Japanは『良い記事』の定義を3つに分けています。①理念にマッチしているか、②定量的なデータを見て良い結果を得られているか、③定性的なデータを見て良い結果を得られているか、ですね」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「それぞれどんな切り口で判断しているんですか?」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「僕らは世の中に前向きなインパクトを与えたくて、メディアを運営しています。これが理念となるので、まずは記事がその理念からブレていないことが大切。次に、定量的な視点で見ると、どれだけ良い企画であっても読まれなければ意味がないので、どこまでシェアされたか、どこまで深く読んでくれたかをデータで見ています」

f:id:katsuse_m:20160325142435p:plain「やっぱりデータで分析できると強いですね」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「最後に定性的な指標ですが、ツイッターやフェイスブックのコメントを見て、その記事で不快な思いをさせていないか、ポジティブに受け取ってもらえているかを確認するようにしています」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain「すごいなー、弟子になりたい。一回2,000円で塾やってほしい」

f:id:katsuse_m:20160325142435p:plain「授業料2,000円ってひどい」

 

今年の戦略について

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最後のテーマは、各メディアの2016年の戦略について。個人的にメディアの成長はファンの数を増やすことだと思っているのですが、各メディアとも、そのためのアプローチの方法が異なっているのが面白かったです。

 

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「最後に、各メディアの今年の戦略を教えてもらおうと思います。KAI-YOUさんからお願いします」

f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「『双方向性』ですね。KAI-YOUは去年、ユーザーが記事を投稿できる仕組みを作りました。投稿された記事がKAI-YOUとしてふさわしい内容であれば、こちらからコミュニケーションを取って校正して、記事化するんです。この仕組みによって、これまでのKAI-YOUでは作れなかったユニークな記事も生まれるようになりました」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「記事コンテンツで双方向ってすごいですね」 

f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「あとは、ゆくゆくはKAI-YOUを『ポップ』のポータルメディアにしていきたいので、機能もどんどん拡充していく予定です」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「古田さんはいかがですか?」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「BuzzFeed Japanは始まってまだ2週間なので、今後も実験を続けていきます。春までには動画チームを作って、自分たちのオリジナルコンテンツを東京から世界に向けて発信していきたいですね」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「動画チームいいですね」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「あと、いま編集部の社員数が13人なんですが、年末までには30人くらいに増やしたい。人数が増えて、練度も上がれば、コンテンツ数を3~5倍にできると思います。この夏には選挙があるので政治記者を増やしていきたいですし、沖縄に駐在してくれる記者も探しています。沖縄から日本全国に現地情報を発信するメディアになりたい」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「たしかにそうですね」

f:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「あと、他国のBuzzFeedでは、LGBT(L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシュアル、T=トランスジェンダー)の当事者が自分たちのことを客観的に見たLGBTネタをずっと書いていて、これがすごく読まれているんです。アメリカでのLGBTについての世論は、ここ10年くらいでガラリと変わったんですけど、これは地道に取り組んできたメディアのライターたちの功績だと思います。日本でも、そういう取り組みをやっていきたいと考えています」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「なるほど。オモコロは何か戦略ありますか?」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain僕も動画チームを……作ろうかなと……

f:id:katsuse_m:20160325142602p:plain「柿次郎さん、怖い目してる(笑)」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain「本当は更新数を増やしたいですね。今は平日に特集記事1本とマンガ1本しか更新していないので、たとえば土曜日にも更新するなど、本数を増やしていきたいです」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「記事本数増やすためには、編集部の体制を強化するか、あとは気合いでしょうねえ」

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plain「そうですね。あとは動画チームですね」

f:id:katsuse_m:20160325142436p:plain「すぐパクるなこいつ。長くなりましたが、以上で終わりにしたいと思います!」 

f:id:katsuse_m:20160325142921p:plainf:id:katsuse_m:20160325142602p:plainf:id:katsuse_m:20160325142519p:plain「ありがとうございました!」

 

終わりに

尖ったメディアが集まっただけあって、それぞれの個性が光る回答がたくさんありました。また、ローンチしたてのBuzzFeed Japan、3年目のKAI-YOU、10年目のオモコロと、キャリアの違いから悩みや取組みが異なることも面白かったです。

 

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オウンドメディアが乱立している今だからこそ「メディアの正しい在り方」を模索しがちですが、長く続いているメディアや尖ったメディアを見てみると、実はローンチ当初のコンセプトや独自性をそのまま強みにしているところが多い様子。「あのメディアの真似をすればイケるよね!」という安易な発想では、続けるのが難しい時代なのかもしれません。

ちなみに質疑応答では、「それぞれのメディアがあえてやっていないことを教えてほしい」という声があり、各メディア以下のように回答していました。

 

・BuzzFeed Japan:「批判のための批判をしない。人を叩くためのコンテンツは作らない」

・KAI-YOU:「時事性しかないものはやらない。ポップであるかどうかで判断する」

・オモコロ:「記事広告は商品自体に特徴がないものはやらない」

やらないことひとつを取っても、媒体の色は出ることがわかります。

 

既にメディアを担当している方、これからメディアを始める方は、自分たちが何を大切にすべきか、何を強みにすべきかを、今回のセッションを参考に考えてみても良いかもしれません。

 

 

※大ベンチャー展のイベントレポートをもっと読みたい方はこちら

 

 

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