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みなさん、夏、してますか? いきなりいい女っぽく登場してすみません。金原みわと申します。よろしくお願い申し上げます。

 

お盆が過ぎてもまだ暑い日が続いております。こんな日には何か爽やかなものを飲みたくなりますよね?

 

 

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そう、やっぱり日本の夏といったらラムネ!

さわやかな炭酸と甘味が、喉をスッと涼ませてくれますよね。

 

 

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これを飲んで暑さを忘……

 

 

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レプシッ!!

 

 

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はああああああ~~~???!!!たこ焼き風味ラムネ~~~!!!??????

 

 

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あたしゃいい女になりたいのに、何変化球のラムネ飲ませてんの~~~!!!??????なんだよこの妙な香ばしさは~~~~???!!!!

 

ってかなんだこれ~~~~~~~~~~~~~~!!!!

 

ラムネが持つ夏のさわやかなイメージと真逆を行く、こういった変わり種ラムネの数々…。いったいどんな人たちがどんな気持ちで作っているのでしょう?

気になる…。

 

 

 

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ということで、潜入して話を聞いてきました。 

 

お伺いするのは、わたしの地元・大阪に本社があるハタ鉱泉株式会社さんです。

 

 

 

偉い人に直接話を聞いてみることに

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到着後、通されたのはドッシリとしたソファがある部屋。迎えてくれたのは、代表取締役 秦さん。そう、ハタ鉱泉の社長様です。

 

 

 

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よう来たな~~! 言うてくれたら、ラムネ送ったのにぃ! ウッヘッヘ

 

社長、なんかめちゃめちゃフランクな人でした。まるで立飲み屋で横に居合わせたオッチャンのような雰囲気。一瞬で気を許してしまいそうな笑顔を浮かべています。

 

 

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「今日はありがとうございます。今、一番大忙しの時期ですよね?」

 

 

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「この7・8月がラムネの生産ピークやからね。ラムネ工場は朝から晩までフル稼働ですわ。まあ、夏に準備し始めても遅いから、だいたいいつも2月くらいから作り始めているんですけどね」

 

さすが夏の風物詩なだけあって、夏の需要が多いそうです。真冬から準備しないと夏に間に合わない…というのは不思議ですね。

 

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「ハタ鉱泉さんで、一番の売れ筋商品は何ですか?」

 

 

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「ハタ・シャンデリアの瓶ラムネです。何千万本という単位で売れてます」

 

 

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「わ~~! これ、わたしが昔からずっと飲んでいたラムネです! ハタ鉱泉さんのラムネやったんですね」

 

 

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そう、変わり種ラムネがきっかけで訪れたのですが、ハタ鉱泉さんは実は昭和21年創業の老舗ラムネ屋。そのラムネ生産量は、なんと日本一を誇るそう…!

 

「変わったラムネを作ってる人」に話を聞いていたら、知らず知らずのうちに「日本一ラムネを作っている人」に話を聞いていたなんて…。

 

 

 

本題の変わり種ラムネ

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通された応接間の棚には、変わり種ラムネの山がズラリ! 見たことないのもたくさんある…!

 

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「この沢山の種類のラムネ、おもしろい試みですよね。いつから変わり種ラムネを作っているんですか?」

 

 

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「9年前くらいからやなあ。大阪名物土産ってあまりないでしょう。雷おこしとかとかあるけど、いまいちパッとせん。大阪の新しい名物を作りたくて、たこ焼風ラムネを作ったのが最初です」

 

 

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出ました、冒頭に飲んでいた「たこ焼風ラムネ」です。あれは、なんというか、なんとも言えない味ではありましたが…実は社長の地元愛にあふれた商品だったのですね。

 

 

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「…まあでも、本心言うたら遊び心やな。遊び遊び。おもろいからやってんねん。ウッヘッヘ」

 

 

変わり種ラムネ飲み比べ

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「よかったら飲んでみます?」

 

というわけでご厚意に甘え、ハタ鉱泉さんで発売している変わり種ラムネを試飲させていただくことになりました。

 

さて、まずはコーンポタージュラムネです。

 

 

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「マネやないんやで…マネやないんやけどな。○リガリ君のコーンポタージュ味が大ヒットしたやろ。でまあ、その後ウチも作ってみたってこと。ウッヘッヘ!」

 

 

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「なるほど…ここまで乗っかってたらむしろ気持ちいいですね…!

 

大胆すぎるコンセプト。そうだ、これはマネじゃない、パクリじゃない。ここまで来たらインスパイアだ、オマージュなんだ。そもそもアイスではないしね…。

 

どれどれそのお味は…

 

 

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ゴクリ…

 

 

 

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「え…あれ? 意外! めちゃくちゃ美味しい!」

 

コーンの香ばしさが、意外なほどにラムネとマッチ! 驚くほどおしゃれな味になってる…! 自然派ロハスカフェとかで出てきそうです。

 

 

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そして、その次はクリームシチューラムネ

 

これもまた美味しい! コーンポタージュの味に、さらにクリームのまろやかさが混じった感じです。

 

変わり種は出しているものの、味はまともに美味しいものを追求しているみたいです。

  

 

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「で、これが一番新しいラムネですわ。その名も妖怪ラムネ

 

 

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「 なんかコレ…どこかで見たような化け猫の絵が描いてありますね…!」

 

 

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「妖怪○ォッチって書いたら怒られるからな、妖怪ラムネって名前にしたんや。ヘッヘッヘ」

 

 

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「いかに怒られないかを研究してるんですね! 社長がだんだんそういう妖怪に見えてきましたよ…。でも妖怪ってどういうことです? ただ妖怪ブームにあやかっただけ…?」

 

 

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「昔、駄菓子屋で舌の色が変わるお菓子があったやろ? それと同じで、これも舌の色が変わるラムネなんやで」

 

 

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わかりますか? ビミョ~~~~~に舌の色が紫に変わってます。

 

ともあれ妖怪要素に色の変化と、遊び心満点で子どもはよろこびそう!

 

 

 

地獄からやってきたラムネ

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「ほんでやっぱり一番はこれやな。キムチラムネや」

 

 

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「うおおお…なんて禍々しい色をしているんだ…。でも一番ってことは、一番おいしいってこと…?」

 

 

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「いや…。これは、別に飲まんでもええと思うわ。ハッキリ言って、臭いで。ウッヘッヘッヘ」

 

 

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社長、自社製品のこと臭いって…!」

 

でもここまで来たら飲まずに帰れません。一抹の不安は残りますが、いざチャレンジ!

 

 

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ゴクリ…

 

 

 

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ングェエエエエエエエ~~~~~~~!!

 

ピリリとした辛さと鼻を抜けるニンニク臭が、甘いラムネと生み出す不協和音。味蕾が、私の味蕾がビックリ開花してる~~~~!!

 

これはひどい。

 

 

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「いや~~~社長…これ…すごい味ですね…」

 

 

 

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ま、全然美味しくないわな~! ウッヘッヘ」

 

こっちは気を使いマズイと言わなかったのに…! てか社長、なんでそんなにうれしそうなの!? まるでイタズラっ子のようです。

 

 

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「…あの、こんなすごい味、誰が考えてるんですか? 社長が考えてるんですか?」

 

 

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「事務所のみんなで考えてるわ。まあこんなキムチラムネやけど、美味しいって意見もいくつかあったんやで。ご飯と合いそうな味やいうてな」

 

確かに…。甘口キムチの汁を飲んでると考えたら、横に白米があると考えたら、まだ…。

 

 

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いや、やっぱりこれマズイわ。

 

 

珍ラムネ開発秘話

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「たくさん珍しいラムネがありますが、ボツになったラムネの案ってあるんですか?」

 

 

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「たくさんありますよ! 竹炭を入れてみた竹炭ラムネとか。これは、サンプル飲んだ時点で製品化はせんとこうってなったんや」

 

 

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「よっぽど酷かったんですね…。逆にどんな味だったのか気になります」

 

 

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「いや、味は普通よ。本物の竹炭を使ったら、歯が真っ黒になってもうたんよ。ウッヘッヘ」

 

 

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「豪快すぎる」

 

 

 

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「発売したけど1年で終わった水ナスラムネもあったな。水ナスは大阪の泉州の名産。これも本物をそのまま絞ったラムネやったけど、何せ原価が高くついてな。エキスを使ってもよかったんやけど、それじゃ泉州産ってうたえへんしね」

 

 

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「でも、夏っぽくていいですね!」

 

 

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「そして忘れられないのがたまねぎラムネ。これも、エキスを使ってもよかったんやけど実際に摩り下ろして作ってたんですわ。でも、調合する人から『目が痛すぎて涙が出るんでもう作るのやめてください!』って苦情言われてもうてな。ウッヘッヘ」

 

 

 

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遊びで作っている変わり種ラムネですが、ラムネに混ぜる原材料は本物を使用したいという強いこだわりが! 妥協は許さないという姿勢が、日本一のラムネ屋を支えているのかも。

 

 

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「変わったラムネを作るのは、正直いうと大変なんですよ。ある程度在庫は必要だけど、ラムネの賞味期限は瓶なら1年、ペットボトルなら半年と、かなりはやいですから…。遊び心でやるくらいがちょうどいいんです」

 

 

日本一から世界一へ

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「昔は全国で1,000社くらいラムネ屋がありましたが、今では20~30社くらいしか残っていません。銭湯や駄菓子屋に卸してたけど、どんどん売るところがなくなってきて…」

 

 

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「確かに、昔に比べてラムネを飲む機会って減ってますよね…」

 

 

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「そもそも夏場しか売れへんし、跡継ぎがてきへんかったりで減っていたんですわ。今、ハタ鉱泉は生産量日本一なんやけど、それもずっと夢中で走って、うしろ振り向いたら誰もおらんようなってた…みたいな感じやなあ」

 

 

 

 

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「日本一になったから、今度は海外に向けても作って。今では43の地域に向けて輸出してる」

 

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「海外展開もしてるんですね! 一番のシェアはどこなんですか?」

 

 

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アメリカやな。東海岸の暖かい地域で日本のラムネが飲まれてるんや。東南アジア、ユーロ圏、ブラジルも、オーストラリアも送ってるから、次は中近東に向けて考えてる。大阪から日本中へ、世界中へラムネを送ってんねん」

 

 

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「すごいですね! なんだか、同じ大阪に住んでる身として誇らしいです」

 

 

 

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英語表記のラムネ。どこかの国で、ハタ鉱泉のラムネに会えたらうれしいな。

 

 

 

特別公開!ラムネ工場の内部

本社1階にある、ラムネ製造工場も見せていただけることに! 普段は非公開ということで、特別に入らせていただきました。

 

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ベルトコンベアに乗せられ、どんどんと生産され続けるラムネ。なんと、1時間に3000本ものラムネが作られているそうです。

 

 

 

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まずは瓶にビー玉を入れて、おなじみの青い蓋が付けられます。そしてその後、瓶を洗浄。 

 

 

 

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そこへラベルをかぶせ、熱で圧縮・密着。

 

 

 

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最後にラムネ入れ。これがかなり特徴的で、ラムネを入れた後に瓶をすぐにひっくり返すのです。

 

 

 

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逆さにすることで、炭酸ガスの圧力によりビー玉の栓がしっかりとされるのだとか! 

 

「どうです? 出来立てほやほや、飲んでみますか?」

 

スタッフの方のお言葉に甘えて、いただきます!

 

もちろん、ハタ鉱泉一番の生産量を誇るラムネ「ハタ・シャンデリア 瓶ラムネ」です!

 

 

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ごく。

 

 

 

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何これ!? めちゃくちゃ美味しい!!!!

 

ラムネに鮮度って関係あったんですね!! 炭酸の利きがまったく違う! 気泡が甘味をブクブクと体に染み渡らせてくれる…!

 

出来立てのラムネって、こんなに美味しかったんだ~~~~~!!

 

あまりの美味しさに、ちょっと感動してしまいました…。

 

 

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ひっくり返すと、炭酸が強いためしっかりとビー玉栓がされる!

 

 

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きっかけは変わり種ラムネでしたが、訪れたラムネ屋は、世界一のラムネ屋さん!

 

その作りたてのラムネは、世界一美味しいラムネでした。

 

 

 

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「これからも面白いラムネ作る予定やで。まだ秘密やけど、楽しみにしててな」

 

 

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「ありがとうございました。これから、楽しみにしてます! これまでのおいしいラムネも作り続けてくださいね!」

 

 

 

ラムネ屋訪問を終えて

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社長のお話を聞いたことでラムネがますます好きになりました!

 

「たこ焼風ラムネ」も、今はなんだかまた違った味に捉えることができそうです。

 

もう一回飲んでみようかな!

 

 

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ゴクリ…

 

 

 

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やっぱマズイわ…。

 

 

 

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