ジモコロをご覧のみなさま、はじめまして。赤祖父と申します。
普段、全国を旅したことをブログに書いたり、情報サイト【ハイエナズクラブ】に書いたりしているご縁で、この度ジモコロにも書かせていただくことになりました。
特に鉄道ネタ、レトロネタが好きで、そうした記事を書かせていただく予定です。どうぞよろしくお願いいたします。
さて今回は、愛知県は東三河の中心、豊橋市に行ったときのことを書きたいと思います。
豊橋市の駅周辺だけでも、こんな感じの昭和チックなお店などが沢山あり、とても楽しめました。もし興味があれば参考にしていただければと思います。
豊橋は、普段東京に住んでいると(新幹線のぞみに乗るとすっ飛ばされるので)なかなか縁のない土地なのですが、行ってみたら実はとても魅力に溢れた街でした。
豊橋駅前はとても栄えて活気がありますし、スペースシャトルが見える意味のわからなさもいいです。
それではさっそく見ていきましょう!
見どころ① 水上ビル
豊橋駅の南側に牟呂用水という用水路が流れていますが、一部が暗渠化され、その上に昭和40年頃からビルが建てられました。
通称「水上ビル」と呼ばれているそうです。
下は店舗、上は住居という造りで、かなり長大なビル群となっており歩き甲斐があります。
歩道橋からの眺めです。向こうが見えないほどの距離にわたっています。
夜は、また違った表情が見えそうですね。
このビルに入居する純喫茶「みなみ仔馬」でコーヒーをいただきながら、そんな水上ビルの歴史をマダムに伺いました。
実際のところ、昔に比べて営業していないお店や、住居の空室も結構あるようです。
将来的には取り壊して用水路に戻す?という案もあるらしいですが、この昭和の高度経済成長時の長屋、といった感のあるビル群はぜひ見ておきたい物件のひとつです。
見どころ② 原田商店
玩具の卸問屋さんです。
このシャッターの状態、知らないと完全に「やってない」オーラですが、これでも営業中です。
中に入ると、問屋さんだけあって凄い物量感でドン・キホーテも真っ青です。
しかもいつのだかよくわからないものばかり。私のような趣味の人間には宝の山です!
※なお個人への小売りは一応してくれますが、あくまで問屋さんなので、カートンになっていたり一袋数十個セットになっている商品などはそのまま購入する必要がありますのでご注意を。
玩具がありすぎて目がチカチカしてきます(笑)。
そして目についたものから特に気になったものを選びに選んで……
……アレコレ買ってきた玩具を自宅で広げました。定価がよくわからなかったので全て店主の言い値で購入。ヘタしたら1ドル360円の時代のモノもあるかも。
一例をご紹介します。
ねずみとりゲームはポータブル仕様な「黒ひげ危機一髪」的なゲームです。
ネズミをセットする場所によって、ネコが飛び出します。
けんかダコです。シンプルな割に意外な動きをしてくれます。
「コンピューター シルエット エレキ」です。
原田商店さんは問屋さんなので、この束すべてを買う必要がありました。
本来駄菓子屋さんなどでは、こうやって1袋20円で引くかたちで買うものです。
確かに小学生のとき、こういうスタイルで買い物をした記憶があります。
中身の一例です。すべてマグネットになっており、冷蔵庫などに貼るとオシャレかもしれません。
明らかにオリジナルとタッチの違う絵柄ですが、私も含めてアラフォーのオッサンだったらだいたいどれがどのゲームかパッとわかると思います。
ネズミの警官がネコの悪党に追われたり追ったりするゲームの主人公です。
とても有名、かつ著作権等にはとても厳しいヒゲのおじさんです。
今じゃ信じられない感覚ですが、こういうのが平気でまかり通っていた時代もあったのですね。
見どころ③ 人参湯
旅先でフラッと気軽に立ち寄る銭湯は最高の癒しのひとつですね。常連さんに気を遣うドキドキ感もまたいいものです。
豊橋で今回見つけた人参湯、残念ながら旅程の都合上入ることができなかったのですが、特別に営業前の掃除中に中を拝見させていただきました。
不自由な動きのシャワーが特徴的です。
壁の絵は、避暑地のような雰囲気で涼しげです。
受付カウンター式に改装する銭湯も多い中、こちらは古き良き番台スタイル。
なんで人参湯というのかお伺いしたところ、昔は薬湯に朝鮮人参を入れていたのをウリにしていたということです。
今は高価すぎて赤字になっちゃうのでやってない、とのことですが、朝鮮人参の風呂なんて入ったらめちゃめちゃ元気になれたのかもしれませんね…いつかジモコロで一発当てて貴族になったら入ってみたいものです。
見どころ④ 甘党トキワ
看板に味の好みを掲げるお店もなかなか珍しいものですが、このインパクトは遠くから見てもすごいです。甘党トキワ。
「安心してはいれる 甘党の店」ということで、全国の甘党員は安心してください。
そして辛党の方はアウェー気分で入ってください。
ここの店内はイートインスペースもあり割と広いのですが、殆どのお客さんは待ちスペースとして活用して持ち帰っているようでした。
私のような観光客は、中で食べられてうれしいですね。
メニューです。「ファンター」や「コーラー」、「オレンヂ」といった味のあるカタカナ表記が心くすぐります。
今や貴重な瓶のHI-Cオレンジと一緒に、大判焼きをいただきます。
この大判焼き、「大判焼きなんてどこもだいたい一緒でしょ」と思ってる人にマジで食べてみてほしいです。実際私もそう思ってたのですが、本当に本当に、おいしさがワンランク上でした!!
甘党トキワに座っている間、お客さんがひっきりなしに来ておりました。家族連れ、子供のグループ、そしてコワモテの地元ニーチャンもソフトクリームをペロペロと楽しんでいる様子。
地域の方に本当に愛されているのがよくわかる名店でした。
見どころ⑤ 豊橋競輪場
豊橋にある競輪場です。この日はたまたま開催日だったので立ち寄ってみました。
最近では競馬場などはキレイ、オシャレ、カワイイ的な雰囲気を打ち出したりしていますが、それ以外の競艇や競輪といったギャンブル場は、古きよきギャンブラーオヤジたちの世界、といった雰囲気が漂っています。
殆どルールもセオリーもわからないまま適当に賭けてみましたが、あえなく惨敗しました。
ただ場内では初心者用講座が無料で開かれており、ご新規のお客様もウェルカムな雰囲気だったのはうれしいです。
そして競輪場の一角には、こうして食事をとれるお店が並んでいました。いわゆる「ギャンブルめし」ですね。
ここで食事して敗戦の傷を癒しました。
東京では「もつ煮」と言って出てくる品が、ここでは「どて煮」という名前でした。こういう地方によって違う名称もまた旅情を感じます。
ちなみに、豊橋競輪場へは路面電車の豊橋鉄道を使うのが便利でした。
見どころ⑥ ボン・千賀
駅からすぐのところにある、ローカルパンとスイーツのお店、ボン千賀です。
店内はとてもカワイイ内装!
販売部と喫茶部にわかれていて、持ち帰りもできますし飲み物を頼めば、店内で食べていくこともできます。
こちらは喫茶部。ワンドリンク必須ですが、喫茶店として活用できます。
このレトロな感じ、堪らないですね〜。
椅子、壁紙、照明、いちいちオシャレなので、許可をいただき撮影しまくりました。
この蛍光灯カバーなど最高です!
さて主役のローカルパン軍団です。こういうご当地メニューも旅の楽しみのひとつですよね。
袋に描かれたイラストやフォントがまた最高です。
ボン千賀で私が一番気に入ったパンです。
中身は白あんが入ってるパンで、名前の由来をお店の若いお姉さんに聞いてみたところ「わかりません」とのことでした。そうですか。
見どころ⑦ スマートボール アサクラ
スマートボールが遊べる店は温泉地などを含めてもどんどん減っていますが、ここ豊橋では街中に普通にありました「スマートボール アサクラ」。
どこかで見覚えのあるアヒルさんのキャラが誘っていますね。
昨今のパチンコなどに比べると非常にスローでゆるい遊びですが、やりだすとなかなか楽しいです。
プレイし始めたところ、突如「ここにこうやって玉が入ると…」と、なぜか蓋を開けて勝手に点数を加算してくれる手動ボーナスをしてくれるおばちゃん。
こんなアシストのおかげで長時間遊べました! 心配になるからもうちょっと商売っ気出してください!
……別の台でもアシストが効いて、次に行かなきゃいけないのにジャンジャン玉が増えて困ってしまいました。もうちょっとシビアに商売して!!
見どころ⑧ きく宗(菜めし田楽)
昭和というよりももっと歴史があるのですが、豊橋のちゃんとした(?)ご当地料理「菜めし田楽」という郷土料理をいただける「きく宗」にも行きました。
これが「菜めし田楽」です。甘い味噌だれの付いた豆腐の田楽を菜めしでいただきます。
こういう普通の郷土料理も押さえておくことで、旅した感がアップしますね。
一例ですがこのように、
朝食:ローカルパンやローカルスーパーで買えるご当地グルメ(ホテルの部屋や移動中でも食べられる)
昼食:ご当地の普段着の食事(喫茶店、定食屋など)
夕食:居酒屋や郷土料理のお店
を軸に考えると充実したタビメシライフが楽しめますので、ぜひ参考にしてみてください。
見どころ⑨ コーヒー オカダ
最後に、やはり昭和を堪能するなら純喫茶です。
店内は流石の渋さ。
しかしその中に、手編みと思われる椅子のカバーなどが愛らしく感じます。
謎の民芸品やら巨人グッズやらもポイント高いです。
マダムに写真と取材のお願いをすると「じゃあぜひ撮って欲しいコがいる」とのお答え。
こちらが看板猫のアイちゃん。
元は捨て猫だったということですが、今ではすっかりオカダの店番をしてくれているようです。カワイイ!(猫もマダムも)
ちなみに普段はこうしてお客さんを待っているとのこと。
アイちゃん、まさに看板猫の仕事をしっかりとこなしているようです。
まとめ
東京からだと名古屋の手前、静岡よりは先、ということでどうも中途半端(失礼)でなかなか訪れる機会の無かった豊橋を見て回りましたが、昭和レトロが堪能できるスポットはまだまだ沢山あるようでした。
今回触れたものは豊橋の魅力のほんの一部です。ローカル路線「豊橋鉄道」を使って少し足を伸ばせば更に沢山見どころがあるようです。
東京からの日帰りも良し、泊まっても良しな豊橋の魅力が、これをきっかけに少しでも伝わればうれしいです!
こちらが今回巡ったスポット一覧です。
※取材内容は2015年3月時点の情報です。