こんにちは。株式会社なのに株のことが一切わかっていない会社、バーグハンバーグバーグです。
「こんな状態で会社を続けてていいの?」と不安になったので、代表のシモダテツヤが株について勉強して参ります。
みなさんと一緒に株の知識を深められたら幸いです。
というわけで西村先生に、みなさんも疑問に思っているであろう株のアレコレを聞いてみたいと思います。
「本日はよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「先生ってやっぱりインチキして株で儲けてるんですか?」
「初対面でいきなりそんなこと聞きます?」
「株で儲けてる人って、みんなそうなのかなと思いまして」
「全然違います! インチキなんてしてません! それに『インサイダー取引』などに代表されるインチキは立派な犯罪行為です」
「でも、もし仮にですよ? 絶対にバレなくて絶対に儲かるインサイダー取引があったらどうですか? 先生やりませんか?」
「やりません」
「1000万円儲かるとしても?」
「やりませんったら!」
「じゃあ8兆円だったら?」
「8兆円かぁ…」
「はい、8兆円です」
「8兆円………」
「あ、これ、やる人だ」
「いや、やりません!! いくら儲かるとか絶対バレないとかでなく犯罪行為ですし! そんなことで大金を得たって嬉しくありません!」
「絶対嘘だと思いますが、わかりました。なんか先生は信頼できる気がします」
「株のこと全然わからなくて何を買ったらいいかわからないんですが、こういう会社の株は上がるとかってあるんですか?」
「業績が良い会社です。短期的に見たら色々な要因で値動きがあるのですが、長期的に見たらこれはもう業績次第ですね」
「ほうほう、短期的な値動きというのは具体的にどういうことがあると起こるんですか」
「例えば『新規事業を記者会見で発表する』などしたら、期待が高まって一時的に高騰したりすることはありますね」
「じゃあ、その記者会見の時に社長がウンコ漏らしちゃったら、株価って下がります?」
「何で漏らしちゃうんですか」
「『我慢できなくなった』か『趣味で』です」
「せめて前者であって欲しいところですが、株価はどうでしょう…。
むしろ上がるんじゃないかと思います」
「え…? 記者会見で社長がウンコ漏らしたら株価上がるんですか…? なんだか僕、株のこと好きになれそうです」
「まず、恐らくですが、記者会見でウンコ漏らした社長って今までいないですよね?」
「一定数いるとは思いますが、うまく隠し通してるでしょうね」
「ええ、それが重要です。今回は『社長がウンコを漏らしてしまったことが明るみに出る』という前提で考えると、まず間違いなくニュースで取り上げられるはずです」
「確かにそんなニュースやってたら僕は絶対見ます」
「テレビやWEBで取り上げられて、会社名や会見内容は否が応でも世間に注目されることになります。これってすごい宣伝効果ですよね?」
「ウンコ漏らした社長の会社として宣伝されても大丈夫なんですか?」
「社長個人としては恥ずかしいでしょうが、会社としては業績が良ければ問題ありません。会見内容にも注目が集まるでしょう。重要な会見であればあるほど効果大です」
「じゃあ『株価を上げたい社長は記者会見でウンコを漏らせばいい』と?」
「だからと言って、積極的に漏らしていいというわけではないと思いますけどね、倫理的に」
「もしこの記事が公開されて、世の社長が一斉にウンコを漏らし始めたらどうします?」
「少し、責任を感じるかもしれません…」
「何か新製品とかを発表するたびに、社長は中腰になり力み始める…。茶色に染まるズボン…。鼻をつまむ報道陣…。泣き叫ぶ子ども達…。こんな世界にしたのは先生ですからね」
「この記事をご覧の社長の皆様、ウンコを意図的に漏らすのは絶対にお止めください!」
「今さら手遅れです。あなたは世界を変えた。それでいいじゃないですか」
「全然なついてない虎を社長が突然飼い始めたらその会社の株価は下がるんですか?」
「そんなことする社長います?」
「もし、自分が株買ってる会社の社長がそういうこと始めた時にどうするのが正解かわかってないと怖いじゃないですか。心配で心配で株なんて始められません」
「そうですか…。えーと、まず、企業側は虎を飼っている旨を有価証券報告書に記載しなければいけません」
「経営におけるリスクと考えられる要素は記載する必要がありますので、虎のことも書かれるでしょう」
「会社で飼うわけではなく、あくまで社長個人が飼うという場合でも書かなきゃダメなんですか?」
「社長が虎に襲われて命を落としてしまったら会社にも影響が出ますよね? なので書かなきゃダメです。そうすると、世の投資家はリスクと判断しますので株価は下がるかと」
「すっっごいダメな社長で、もしもがあった際は超優秀な二代目が跡目を継ぐ場合はどうでしょう?」
「まあ、そういうケースなら上がるかもしれません」
「じゃあ、社長が優秀でかつ『虎殺し』の異名を持つ高名な空手家だった場合はどうですか?」
「それでもリスクはリスクです。優秀な社長を失う可能性があるので株価は下がるでしょう」
「虎に勝てるんですよ?」
「不意を突かれる場合もありますし、絶対ではないですよね」
「あれ? 先生ひょっとして『虎殺し社長』のことナメてます?」
「…シモダさんのお知り合いにそういう方がいらっしゃるんですか?」
「いや、いません。というか、多分この世のどこにもいません」
「じゃあいいでしょ、こんな話」
「株主優待ってあるじゃないですか」
「ええ、株主優待目当てで株式を購入される方なんかもいらっしゃいますね」
「例えば有名ハンバーガーチェーン店なら商品と引換ができるお食事券がもらえたり、某おもちゃメーカーなら株主優待でしか手に入らないオリジナルのおもちゃがもらえたりします」
「なるほどなるほど、企業側はゴミを株主優待として送り付けてもいいんですか?」
「なんでそんなことするんですか」
「1年間溜めに溜めた生ゴミを、感謝の気持ちを込めて、株主のみなさんに強制的に送りつける。そんな企業があっても素敵だと思うんです」
「共感は出来かねますが、可能…だと思います」
「いいんだ」
「法に触れるものでない限りは問題ないかと。普通は株主優待の時期になると、良い株主優待をつけている会社の株が高騰するものですが、その会社は逆に下がるかもしれませんね」
「法に触れなきゃ何でもいいんでしょうか?」
「まあ、そうですね」
「じゃあ例えばこういうものでもいいんですか?」
「何ですか、それ?」
「先生のお面です」
「なぜ?」
「ちょっと着けてみてください」
「私が着けるんですか?」
「すごい! 意味ない!」
「でしょうね」
「意味ない!」
「知ってます」
「意味な~~~い!!」
「何なんですか?」
「これを株主優待としてプレゼントするっていうのもアリってことですね」
「私の肖像権が無視されているのでダメです」
「いいじゃないですか~、先生~」
「そういうことをされたくないんです」
「インサイダーで得た金が、1万、2万、3万……」
「冗談でもやめてください」
「株式投資に向いているのはどういう人ですか?」
「うーん…。難しいですね。もちろん、色々と大事な要素があると思うのですが…。性欲が強い人というのはあるかもしれません」
「先生?」
「いやあの、実際に、知り合いのとある有名な投資家の方がこう言ってましてですね」
「どういうことですか?」
「まあ、性欲に限定した話じゃないんですが、欲望が強い人の方が向いているという意味ですね。『モテたい!贅沢したい!』と、得たお金をどう使うかイメージできている方がやはりハングリーな分だけ必死になりますよね」
「なるほど。ちなみに先生って株で勝ってるんですよね?」
「そうですね。まあ、それなりの成績は出せております」
「つまり、先生は性欲が…?」
「(にっこり)」
「朝とか、もう痛いくらいのギンギン…?」
「(にっこり)」
「たまにニュースとかで天才小学生みたいな子を見ますけど、株って誰でも始められるんですか?」
「未成年の人は親の同意書が必要ですが、親権者が代理で取引を行うということで、OKとなっています」
「全然お金なくても始められます?」
「やろうと思えば1万円でも始められますよ。ただまあ、現実的に考えると10万円は欲しいですけどね。理想は30万円あれば色々と取れる戦略も広がって、株の楽しさは充分わかるかと」
「なるほどなるほど。ちなみに人間以外でもできます?」
「人間以外…? さすがにそれは無理ですね」
「鹿も?」
「ええ、無理です」
「今、先生の後ろにいる鹿も?」
「え?!」
「その鹿も株できないって言うんですか?」
「いや、できないですし、え? 何?」
「鹿です」
「何で鹿がここにいるんですか?! 株と関係ないでしょ」
「この鹿のツノが株価チャートだとしたらどうですか? 買いですか?」
「無理やり株に絡めようとしないでください」
「買いですか?」
「…本当に知りたいんですか?」
「お願いします」
「結論から言うと『買い』です。ある一定期間の株価を見て、直近の高値を更新することを『ブレイクアウト』と言います」
「向かって右のツノのところでブレイクアウトしてるのがわかりますね。移動平均線が右肩上がりでブレイクアウトした銘柄は株価が上昇する傾向があります。トレンドフォロー戦略を取る上で重要な手法の1つですので覚えておいて損はありません」
「キャベツ置いたんで動かないでくださいね」
「無視しないでください。あと、私の肩に餌を乗せるのやめてもらっていいですか?」
「よろしければ先生もどうぞ」
「あ、私も餌付けしていいんですか?」
「いや、これ先生が食べる用です」
「私が食べる用…?」
「ええ、どうぞ」
「………」
「………」
「………」
「うめっ!!」
お面上へ